女子中学生監禁事件「アイツは『彼女がいる』と言っていた」

ゼミの親友が明かす容疑者の素顔
週刊現代 プロフィール

「今年の正月も、ウチに来て、1週間ぐらいはおったと思います。妹ととても仲が良くてね。和歌山とか四国とか、ふたりでしょっちゅう旅行していました」

祖父母とともに1週間を過ごし、妹とは旅行を楽しんでいた寺内。その間、家に監禁状態の被害少女を置き去りにしてきているわけだが、そんな素振りはまるで見せていなかった。

「樺風とは年に2回はかならず会っていましたが、なにか変わったところというのは感じられませんでした。

ただ、大学生にもなるのに、彼女がいる様子はまったくなかった。それが気になって、会うたびに『そろそろ彼女、おるんとちゃうの?』って尋ねていた。そしたら、いつも『おらん』と。細かいことをしゃべる子ではなかったので、それ以上は深く訊いたことはありません」

先述のように、友人には「彼女がいる」と漏らしていた寺内だが、家族には違うことを言っていた。祖母が続ける。

「樺風は、私たち夫婦の前ではいつもごく普通の、大人しくて、優しい子でした。そんな樺風と今回の事件が頭のなかでどうしても結びつけられず、夫も私もいまだに現実を受け入れられずにいます。

とにかくいまは、本人に会って『なぜ、なぜ、こんなことをしたの』と、問いかけたい気持ちでいっぱいです」

少女に笑顔が戻る日

周囲の誰に尋ねても、「普通」という言葉で語られる寺内。それだけに、彼に近しい人がその異常性を知ったときのショックは大きい。

寺内は、2年の長きにわたり、隣人も、親友も、果ては家族をも欺き、誰の目にも触れることなく、被害少女を監禁してきた。

だが、そのような異常な生活がいつまでも続くはずもなかった。一瞬の隙を突いて脱出に成功した被害少女が無事保護され、自殺に失敗した寺内も逮捕されたいま、「奇妙な2年間」の実態が、警察の手によって解明されていくことになる。

被害少女が保護された3月27日、彼女の同級生たちはちょうど卒業パーティをしていた。保護の一報が流れた瞬間、同級生も保護者も歓喜に沸いた。堪えきれず、涙を流した同級生も少なくなかったという。

「ご両親や有志の方々は失踪から2年が経っても、毎月欠かさずビラ配りを行うなど、あきらめることなく熱心に活動されていました。地域の住民はみんな彼女のことを知っていて、我がことのように心配していた。無事に戻ってきてくれて、本当に良かった」(被害少女宅の近隣住人)

朝霞署に移送された寺内は、徐々に語り始めている。辛い記憶を呼び起こしながら警察の事情聴取に応じている被害少女は、少しずつ元気を取り戻しているという。

「週刊現代」2016年4月16日号より