武器輸出大国へと突き進む日本~4兆4000億円の巨額プロジェクトも検討中

古賀茂明「官々愕々」
古賀 茂明 プロフィール

天下り利権も拡大する

防衛装備移転三原則の閣議決定当時、「輸出するのは、救難飛行艇や軍用救急車など、人命救助任務に使う装備が中心」などと言って、「戦争目的の武器ではない」というイメージ作りで国民を油断させた。ところが、いざふたを開けてみると、何のことはない。初の大型受注案件として浮上したのは、戦略的兵器とされる最新鋭の潜水艦だったというわけだ。

その裏では、昨年10月に「防衛装備庁」が新設され、官民で開発した武器を海外に売る窓口ができた。また、武器輸出ビジネスに貿易保険が適用できるよう、政府内での調整も進んでいると聞く。もちろん、経産省や防衛省の官僚の天下り利権も拡大するから官僚達は大喜びだ。

以前、中東空爆によって、フランスの「ラファール」戦闘機がバカ売れしてフランス国民が大喜びしているという話を紹介した('15年12月26日号)。そこには、自国の武器が他国の人々を殺傷しているという罪悪感はほとんど存在しない。

武器ビジネスがもたらす利益は巨額だ。その利益に目が眩み、他の武器輸出大国のように、日本も官民ともに人々が心のどこかで戦争や紛争が起きることを望むような国になってしまうのだろうか。そうなる前に、今一度立ちどまって考え直すべきだ。

『週刊現代』2016年4月16日号より