セネカルは自分が長年仕えてきたトランプのことを手放しで称賛しているし、政治的信条も共有している。
'90年、セネカルは執事の仕事を一時中断して、ウェストバージニア州のある町の町長になったことがある。そのとき、物乞いをする人は許可証をもたなければならないという提案を行い、注目をあびた。
「トランプ様からは『よくやったぞ』とお褒めの言葉をいただきました」
私が屋敷を訪問中だった3月6日、トランプがゴルフコースへ向かうことになった。
「起立!」
セネカルはスタッフに向かって大声で号令をかけた。そして、その場にいた全員が立ち上がった。
屋敷の主は、大統領選のスローガンでもある「アメリカをもう一度偉大な国にする」と書かれた野球帽をかぶって歩いてきた。色は赤ではなくて白だった。どうやら機嫌はすこぶるいいようだ。
「週刊現代」2016年4月9日号より