震災特番「視聴率全滅」が意味するもの
~日本人は冷たいのか? それとも、見られない理由があるのか?

週刊現代 プロフィール

被災者でもある作家の伊集院静氏は、本誌連載「それがどうした」で、こう書いた。

〈 何人かの知人に悔みの言葉を言わねばならない。どうか笑って欲しいと思うが、胸の底に残る記憶はそんなに簡単に、五年くらいで整理がつくものではない。〉

しかし、と氏は言う。亡くなった人の死を不運と嘆くことは、逆に彼らの生の尊厳を損なうのではないか、と。

〈 不運ではなく、そういう生だったのだ。

不運と思っては、哀し過ぎるではないか。

不運と思うな。そう自分に言い聞かせて、今日まで来ている。〉

忘れたいわけではないが、忘れなければ生きていけない。そんな悲しみが、人間の人生にはあるのだろう。

「週刊現代」2016年4月9日号より