玉木宏が語り尽くす『あさが来た』撮影秘話

いよいよ感動の最終回
週刊現代 プロフィール

あの涙が意味するもの

本誌が昨年11月に行った取材では、玉木はあさが身ごもったことを知って、炭坑へ駆けつけた場面を挙げ、「父親になることが、新次郎の人生のターニングポイント」と語っていた。

「千代が生まれ、反抗期を迎え、そして結婚して巣立っていく。朝ドラはホームドラマですから、世代交代をして盛り上がっていきます。

一方で、自分自身は死期というものを考え始めなければいけない。おとうちゃん(正吉)が亡くなったときや、五代さんが亡くなったときは、ただ悲しみに明け暮れるだけでした。

それが3月18日放送の回でよのさんが亡くなったときは少し違った。自分の人生の先も見据えて、どこか悟っている状態になっているんです。悲しいだけでなく、受け入れていくということをもうお芝居の中でしている段階ですね。

そう考えると、もう一つのターニングポイントとなったのはあさが生死の境をさまよう場面でしょうか……」

萬谷与左衛門(ラサール石井)に刺され、あさは意識不明の危篤状態に陥る。あさの傍ら、新次郎はしっかりと手を握り「わてな、知ってる思うけど、あんたに惚れてます」と涙ながらに語りかける。

「あんたのすることな、何でも応援してあげる。何にも怒らへん。そやけどな、わてより先に死ぬことだけは、金輪際許さへんで。許さへん。わて置いていったら許さへんで」

いつもと違う新次郎の真剣な姿は視聴者の大きな反響を呼んだ。

「素直な心を打ち明けることの少ない男なので、本当にどストレートな言葉でした。あれほど思いの丈をぶつける新次郎はそれまでになかった」

新次郎の思いが通じ、病床のあさは意識を取り戻す。抱き合う二人に朝日が差し込む演出が印象的だった。