飛び交う怒号! 住友不動産「全棟建て替え」住民説明会・完全中継

週刊現代 プロフィール

前出の住友不動産関係者が言う。

「実は南棟だけの建て替えが決まった'14年段階から、住友不動産は工事や補修について大手中小の建設会社10社以上にあたってきた。が、どこも受けてくれなかったというのが現実。

今回改めて全棟建て替えということになったので、また各社に当たることになるが、どこも受けてくれないのは目に見えている。結局、熊谷組にやらせるけれど、きちんと第三者機関にチェックさせながらやるというところに落ち着かざるを得ない」

問題なのはその熊谷組に、今回の「欠陥問題」をめぐって反省の色がうかがえないことである。

「熊谷組はいまでも全棟建て替えせずに、補修するだけでも安全上は大丈夫と思っている。しかも全棟建て替えとなれば費用負担はほぼ全額を熊谷組が負うことになるから、本音では納得がいっていない。

しかし、技術論をいくら主張し続けても、ブランドイメージが毀損していくだけ。一方で、全棟建て替えの建築コストは、一戸毎に2000万~3000万円と考えれば、全262戸で70億~80億円。目下、熊谷組の業績は絶好調なのでそのくらいの負担は吸収できると踏んで、全棟建て替えに渋々応じた」(熊谷組関係者)

説明会は終了予定時刻近くになっても、住民の怒りが収まらず、とめどなく怒りの声がステージに向かって飛び続けた。

「どうしてくれるんだよ!」

「誠心誠意が微塵も感じられませんね」

「形で示してください!」

「住友不動産が開設する相談窓口も17時で終了じゃなくて、24時間にしてください。17時なんて、仕事をしていたら(電話を)かけられないですよ」

出席した住民の一人は説明会後、本誌記者に次のように漏らした。

「住友不動産や熊谷組の居並んだ幹部たちは最初から最後まで、われわれの声に真摯に答えようとはしなかった。誠実なふりだけの売り主と反省をしないゼネコンを相手に、長い交渉がこれから始まると思うと、それだけで気分が悪くなる。いまは怒りと不安しかない」

全棟建て替えに向けて、住民たちはいまそのスタートラインに立たされた。住民たちがこの難局を乗り越えて「普通の生活」を取り戻せるまでに、一体これからどれだけの長い時間が費やされることになるのだろうか。

「週刊現代」2016年3月26日・4月2日合併号より