飛び交う怒号! 住友不動産「全棟建て替え」住民説明会・完全中継

週刊現代 プロフィール

しかも、住友不動産は説明会に社長すら出てこないんだから、はなから誠意を示すつもりがない。だから会場では、『なめるのもいい加減にしろ』という住民たちの怒りが爆発した」

再び会場の様子に戻ろう。

怒りが収まらない住民が、次第にめいめいに思いのたけを話し出すようになると、会場は収拾がつかない事態に陥っていく。ついには住民同士の間で、「黙れって言ってんだろ」「あんたはどこの誰だ」などと怒声が飛び交い、「仲間割れ」の応酬に突入していく。

「南棟ではわからないと思います、残っている人の2年間の気持ちは」

「すぐ出て行けって言われた私たちの気持ちを、あなたたちもちっともわかっていません」

'14年に傾きが確認されて建て替えが決まった南棟の住民は、いち早く仮住まいするなどマンションの外に出ていた。残りの棟の住民は建て替えをしてもらえず、安全が確保されないマンションに住み続けた。

また、南棟の住民は'14年から補償金などを受け取ってきたが、ほかの住民はほとんど受け取っていない。そんな両者の立場の違いが、ここへきて一気に不満となって噴出したのである。

南棟と別の棟。二分された意見対立はヒートアップするばかりで、南棟の住民が語れば同じ南棟住民から拍手が起こる。すると別の棟の住民は、「黙れ!」と喧嘩腰で突っかかるという始末である。見るに見かねた住民の一人は叫んだ。

「違うんだよ。そういう分断をした住友不動産、あんたらに責任があるんですよ!」

「全棟建て替え」のワナ

住民説明会を仕切った住友不動産関係者は言う。

「会場はひどい荒れ模様だった。われわれはこうした事態を見越して、最初に住民に謝罪する際に頭を下げる時間は何秒にするか。そうしたことまで事前に準備していた。質疑応答に入った際には、あらかじめ文句を言いそうな住民にはたくさん当てないということまで話し合っていた。だから、なんとか乱闘騒ぎのような危険状態になることは避けられた」