『あさが来た』の脚本家・大森美香が舞台裏をすべて明かす!
~残り1週だから、話せることがある

週刊現代 プロフィール

最後までびっくりぽん

現場に行って初めて得るアイデアもあった。

「全26週に割り振っていた題目は、それほど変わっていません。ただ、登場人物の具体的な動きに関しては臨機応変に対応していました。

たとえば、雁助とうめ。二人が心を寄せ合うことは、山内圭哉さんと友近さんが加野屋のセットに一緒にいる姿を見て、膨らんでいったお話なんです。同じ店の中で働いているので、当然心の交流はあるかもしれないと思ってはいましたが、実際に見てとても相性がいいな、と。山内さんは舞台では何度もお見かけしていましたし、友近さんもテレビなどで拝見していました。

けれども、カツラを付け、着物を着た純和風な佇まいを見て、二人の物語をもっと描きたくなった、それが正直なところです。始めから構想していたと言ったほうが、脚本家としてはいいのでしょうが(笑)。当初は『雁助とうめはどうなるの?』とこれほど注目してもらえると思っていなかったので、嬉しいかぎりです。

雁助の去就も悩ましい問題でした。亀助(三宅弘城)はずっと加野屋にいるだろうと思っていましたが、雁助はどこかでいなくなるようにするつもりでした。実は、あさを恨み、包丁で刺した萬谷与左衛門(ラサール石井)のようになることもあり得るかも……といろいろな振り幅を考えていましたね。

けれど、加野屋を取り仕切ってきた正吉(近藤正臣)の下でこれだけ真摯に働いていた人が、そんな辞め方をするはずがないと思い直した。

結果、加野銀行の開業日に、誰にも見送られず一人静かに加野屋を立ち去る—という去り際になったのです。自分の中では男らしくて良いシーンだと思っています」

4月2日に物語は終了するが、早くも亀助を主役にしたスピンオフドラマ(4月23日放送)が決定している。