『あさが来た』の脚本家・大森美香が舞台裏をすべて明かす!
~残り1週だから、話せることがある

週刊現代 プロフィール

ふゆのエピソードは、新次郎に対して誰か一人くらい、ちゃんと良い面を見抜いて純粋に恋心を抱いてくれる人がいてほしい。そんな思いで生まれたんです。あさは恋する乙女という感じではありませんし(笑)」

母と娘、女同士の距離感

宮崎あおいの演じるはつは、あさとは正反対の控えめで優しい性格だ。山王寺屋に嫁ぎ、姑の菊(萬田久子)にいじめ抜かれる姿が涙を誘った。そんなはつと菊のその後が終盤で再び描かれた。

「母と娘、嫁と姑をテーマに脚本を書くのは初めてでした。このドラマの依頼を受ける際に、親世代をちゃんと書きたいとお願いしていたんです。

菊もある面から見ると怖い人ですが、ほかの面はそうでないかもしれない。これだけ長い期間続くドラマだから、そのどちらも描けるのが魅力なのでは。一緒に暮らし家族になると、いろいろな姿が見えてくるはずです。はつと菊の関係も、菊の性格が変わるのではなく、二人の関係が変わっていくのがいいな、と思います。ドラマには映っていなくても、共に生活し続けているのですから。

母娘に関して思うところがあるのは私自身に娘が生まれたことも関係があるかもしれません。あさの娘・千代(小芝風花)を見ていると、いま4歳の娘とも、いつかこんな関係になるかもしれない、と。私自身が、すごく反抗的な娘でしたから。

あさと千代のやり取りでも描きましたが、お母さんなんだから、娘なんだから分かってよ、という甘えゆえの、ぶつかり合いがあるのではないかと思うんです。そんな女同士の距離感を波瑠さんと小芝さんがリアルに演じてくれました。

小芝さんのキャスティングは、怒り顔が決め手でした。彼女は、和服がとても似合い、関西弁も自然。本当に大阪の豪商の生まれじゃないかと思える子です。

元々はあさ役のオーディションに参加していて、抜群に良かったんです。ただ、あさという役で考えると晩年も演じなければなりませんから、当時17歳でお若く見える小芝さんには難しいかもしれない。そこで、ワーキングウーマンのあさの子供というのは絶対に難役になるだろうと思っていたので、ぜひ小芝さんにと推しました。

撮影現場でも、小芝さんのシーンには演出陣も気合が入っている。ぷん、といけずな感じが良いですよね」