3人以上殺害か!?「川崎老人ホーム転落死事件」に驚愕の新証言

元同僚が明かす今井容疑者の“闇”
中村 淳彦 プロフィール

――寝たきりに近い高齢者がベッドから起きて、トイレに行くのは不自然です。

飯山: でも死因は多臓器不全ということで、事件性がないってことで終わっています。彼らが亡くなる何日か前に今井が、「あの人、そろそろヤバイかもしれない」って言ったんです。僕も今井が「なぜか分からないけど、(死を)感じる」と話しているのを直接聞きました。そしてその通りにどんどん亡くなっていった。

――偶然にしては、多すぎます。転落死以外にも殺害に関与した可能性がある、ということですね。しかも予言しているとなると、介護に追い詰められて負の感情が爆発したという理由ではない。

飯山: 次々と予言しているのだから、少なくとも突発的な行為ではないですよね。具体的にヤバイかもって宣言して、その通りに亡くなっているし。今井がその方々の対処をしているわけですし。それに今井は僕の知る限り、冷静なタイプで、感情に起伏があるような性格ではありませんでした。

――真相は本人以外誰もわからない段階ですが、仮に今井容疑者が関与していたのだとしたら、その理由は何だったのでしょうか。

飯山: 僕にもまったく分かりませんが、目立ちたかったのかもしれない。以前、救急救命で手際よく対処しているところを見て、みんなが「すごいね」と盛り上がったことがあったんです。施設の前の通りはスロープになっていて、そこで酔っ払ったオジサンが自転車で転んだことがあった。その場に僕たちが出くわして、瞬間的に今井が駆けつけて、そのおじさんを助けた。

――救急救命士の知識と技術を活かした場面だった。

飯山: はい。その時の今井の対応は見事でした。苦しむオジサンのボディチェックをして、カラダをくの字にして、首をロックして、「早く救急車呼んで!」と指示していました。救急隊員が来てからは、専門用語を使って対処していて、指示も出していた。それを傍で見ていた僕たちは「こいつ、すごいな」と思った。僕も含めて同僚からは絶賛の嵐ですよ。今井は嬉しそうでした。

* * *

飯山氏の話を聞けば聞くほど、今井容疑者の起こした転落死事件と4名の虐待事件は、異なる問題が発端で起こったと言ってほぼ間違いない。

虚言癖のある今井容疑者が、仮に窃盗や殺人を躊躇せずに犯してしまう性格ならば、それは明らかに“人格障害”だ。そうであるならば、治療は極めて困難である。かたや虐待事件は、外部からの強力な圧迫からくるストレスによって引き起こされたものだ。その場合、環境が変われば健全さが戻る可能性の方が大きい。

「Sアミーユ川崎幸町」という1つの施設内部で起きていた闇を紐解けば、まったく異なる問題が同時期に交差し、2つの事件という最悪の事態を生みだしていた。

人材不足や高い離職率など、問題が山積した介護業界は、当然ながら人の流動が激しく、それゆえ危険人物が混じってしまうケースが多々生じる。今井容疑者のように人格障害の疑いのある人物を受け入れざるえないこと自体、業界にとって大問題なのだ。