3人以上殺害か!?「川崎老人ホーム転落死事件」に驚愕の新証言

元同僚が明かす今井容疑者の“闇”
中村 淳彦 プロフィール

――今井容疑者には、虚言癖があった。

飯山: いま思えば、そういう部分は多かった。ダブルワークで東海大学病院の救急救命のアルバイトをしているとも話していました。単純な人間の集まりですから、僕らはその話を疑いもしなかった。当時は嘘とは思っていない、スゴイ奴だと思っていた。あとは「妹が死んだ」という嘘もついていた。

――生きている妹さんを亡くなったことにしていた。

飯山: 妹が交通事故で死んだと施設に報告して、1週間の休暇をとっていました。事件が発覚した今は、ちょうどその時期から今井はおかしくなったのかなって思っています。窃盗で逮捕された後、職員同士で今井という人間について振り返ったことがありました。結局、妹さんも生きているし、嘘だった。

――嘘を信じていたとすれば、盗んだお金で高級料理を奢ってもらったとはゆめにも思わないですよね。

飯山: 今井は介護職としての評価は高かったから、競馬で勝ったのも病院とのダブルワークも事実だと思っていました。年齢は僕よりもだいぶ下でしたが、対等な立場で接する仲の良い同僚でした。体も僕よりも大きいし、可愛いがられるようなキャラクターでもない。今井はみんなで話していても輪の端で話を聞いている、おとなしいタイプでした。(日航ホテルの)鉄板焼き屋では、仕事の話はせず、競馬のことなどプライベートな話をしました。

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今井容疑者は自分を大きく見せるために嘘をつくなど、虚言癖があったという。虚言癖は反社会的人格障害や自己愛性人格障害の基本要件である。モンスター家族や過密業務に追い詰められ、入居者を虐待した飯山氏を含む4名の事件とは、明らかに問題の焦点が異なる。

飯山氏をはじめ、日常的に人を疑わない施設の職員たちは当時、今井容疑者の嘘の信じ、彼が意図とするイメージ通りの人物像を描いていたと言える。はたして今井容疑者はどんな自己像を抱いていたのだろうか。

的中する「死の予言」に違和感

川崎市が転落死事件を発表したことがきっかけとなり、殺害事件以外にも窃盗や虐待など「Sアミーユ川崎幸町」の荒んだ実態が明らかになった。しかし、それだけに留まらない。なんと3名の殺害のほかにも、今井容疑者が第一発見者となった死亡事故があったという。飯山氏によると、今井容疑者は「死の予言」までしていたというのだ。

虐待発覚後、「Sアミーユ川崎幸町」を運営する積和サポートシステム株式会社から施設職員への面談などが実施された(資料/飯山氏提供)
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――転落死された3名のほかにも、事故があったのですか。

飯山: はい。1人目の転落死が起こるより前に、ある利用者の脳梗塞だったか脳出血の前兆を今井が夜勤中に発見して、救急搬送で入院しました。その利用者は3週間くらいで戻ってきたのですが、また今井の夜勤中に搬送されて、今度は病院で亡くなりました。

その後、11月上旬に1人目が転落死して、12月上旬に2人目の転落死が起こりました。さらに3件目の転落事故が起こる直前の12月半ばから下旬にかけて、最初に今井が見つけて、救急搬送後に亡くなった利用者がいます。

――ということは、事件性の有無を別として、「Sアミーユ川崎幸町」では9月から12月までの間に4名以上が亡くなっていて、その第一発見者はすべて今井容疑者だということですか。

飯山: そうです。救急搬送されて亡くなった1人は、多臓器不全と診断をされた利用者でした。その方が倒れているのを最初に発見したのが今井です。ほぼ寝たきりで、自分で起き上がれる状態じゃなかった。それなのに、今井が部屋のトイレの前で倒れているところを見つけた。ご家族は、これはもしかして殺人ではないのかと疑がっているようです。

(編集部注:Sアミーユ川崎幸町を管轄するメッセージ社にこれらの事実関係について確認したところ、「警察の捜査に対してはすべてお答えしていますが、個々の入居者に関する情報についてはお答えできません」(同社リスク管理部)と回答)