創作は辛いけど楽しい。作家・朝吹真理子が見つけた「ものづくりの極意」

朝吹真理子×向田麻衣【第3回】

向田: 今回作ったMassage Soapは私の個人的な確信からスタートしていて、どうなるかまだわからないけれど、悉く私の大切な友人や先輩たちが、これは大丈夫、素敵だと言ってくれる。みんな本当はもっと心を開きたいし、素直な愛情を伝えたり、ありがとうと言いたかったり……そういうものに飢えていて、できないと思っていた。私自身も飢えていたけれど、まずは自分から心を開いていこうと、ものづくりを始めた。

Soapに7つのメッセージを込めているのだけれど、初めは恥ずかしかったの。頭がおかしいと思われないかなとも思ったけれど(笑)、心を開いて気持ちを込めて言葉にしていって。プロダクトを一緒に作っているtakram(タクラム)のメンバーはひるまなかった。

初めは小説の一節とか自分たちが大事に抱え持っている言葉をいれることも考えていたのだけれど、著作権の問題もあるし、自分たちのオリジナルメッセージを考えた。チームのみんなが言葉を紡ぐ過程で自分をさらけ出して、こんなにも人々はビジネスを通じて理解し合うことができというのも発見だった。このMessage Soapを贈り合うことで心を溶け合わせる人が増えたらいいな、と思う。

この仕事に関してはやりたいと思うことや、実現したい未来のイメージとのブレが一切なくて、経済合理性とものづくりを一体として見ることができたと思う。一つひとつの仕事、チームのみんながかけてくれる一言ひとことに、感動しきりなんだ。こんな風にものづくりをしたのは初めて。

朝吹: 多くの人が手にとる環境に置かれて、贈り物をする人が増えて、相手を思う時間そのものを届けて……そんな美しい瞬間が日本に限らず、世界で生まれていったらとても素敵だよね。