プログラミングの上達を早くする「3つの力」
本書は、Excel VBAの入門者レベルの人が中級者へステップアップするためのものです。
VBAのプログラミング上達に欠かせない「プログラムの問題点を見つけて修正する力」「処理が速いプログラムを書く力」「状況の変化に対応しやすいプログラムを書く力」について、実用性の高い作例をとおして学びます。これ一冊で、効率よく上達しましょう。
筆者の前作『入門者のExcel VBA』は2012年4月の刊行以来、大変な好評をいただいています。「これまでなかなか理解できず、挫折していたVBAがようやくわかるようになった」などの感想を多数いただきました。多くの方々にVBAの便利さや素晴らしさを体験していただけて、著者としてこれ以上の喜びはありません。
同時に、大勢の方々がExcel作業の自動化に日夜苦労されていることをあらためて実感しました。
VBAに少しずつ慣れてきた入門者レベルの人がさらに上達するには、何をすればよいのでしょうか。
有益な方法の1つが、書籍や雑誌、ウェブページ上で公開されているさまざまなプログラムをお手本に、自分なりのアレンジを加えていくことです。お手本を参考にすることは、経験値アップに欠かせません。
しかし、いつまでもお手本を探して利用するのを習慣としているだけでは、なかなか上達しません。それにとどまらず、よいお手本となるようなプログラムを自分でも作成できるよう上達したいものです。とは言え、それは、そう簡単なことではありません。
入門者レベルの間は「目的の処理が行えればいい」という基準を最優先にプログラムを作成できれば十分かもしれません。しかし、「自動化はできているが、本当にこの書き方でいいのだろうか」という疑問も出てくるのではないでしょうか。
VBAの便利さや素晴らしさを知った皆さんなら、ゆくゆくは入門者を卒業し、より高いレベルへと登っていきたいと思っていることでしょう。
筆者は、VBAには入門→中級→上級というステップがあると考えています。そして、入門から中級へ向かうためのステップを「脱入門」と呼ぶことにします。
本書では、その「脱入門」に必要なノウハウを学んでいただきます。上達への道筋を理解し、経験を積み重ねて中級者になっていく、という成長過程の第一歩を踏み出すための準備が本書です。
「脱入門」を果たして上達するためには、何を優先して学ぶべきか、いろいろなアプローチがあります。筆者は次の「3つの力」を習得していただくのがベストと考えています。