「民進党」をナメてはいけない~合流の舞台裏と、自民が怖れる共産党との連携の可能性を明かそう

鈴木 哲夫 プロフィール

共産党の「プレッシャー」

松野氏と言えば、「第二ボタンまで外したシャツ」「香水の香り」などの永田町らしからぬ派手なイメージが週刊誌などで先行していたが、私が取材してきた松野氏は、そのイメージとはまったく違う。

松野氏が最も得意とするのは「国対(国会対策)」や「根回し」「寝業師」。今回の合流も代表就任直後から300日間、水面下で野党各党間を回り、それぞれの実力者に物怖じせずに接触してきた。

たとえば、岡田氏との会合だけでなく、民主党の支持母体の連合にもウラで触手した。「代表就任後、連合の新旧のトップと月一回のペースで会い、合流しかないと説得し続けてきた」(連合幹部)という。

さらに、2月に入ってから、岡田代表に決断を促すために、わざとこんな仕掛けをした。

「松野さんは、あえて共産党の志位(和夫)委員長と会合を持った。民主党が合流できないというなら他の野党、共産や社民党や生活の党などと先に合流して進めますよ、というプレッシャーをかけた。岡田さんが決断したのはその寝業の効果もあった」(維新幹部)

さて、今回の合流を読み解くには、共産党の存在も見落とせない。

岡田氏は保守系で、社民主義的、革新的な野党共闘や合流や新党などには消極的だろうという見方が、民主党内や永田町にはあった。しかし、それを最初に揺り動かしたのが共産党の志位委員長だったという見方がある。岡田氏と接触している有識者が話す。

「共産党が、安保法制が強行採決された直後に『野党共闘』を宣言し、野党共闘をリードした。岡田さんには、あれを民主党主導でやりたかったという悔しさもある。だから民主党も再編で存在感を示そうとあれこれ考えてきた。その後、志位さんと会って忌憚のない意見交換をしたあと、『志位さんは信頼できる』と絶賛していた。つまり、総合的に共産党に刺激され突き動かされてきた部分があるんです」

また、参院選や解散総選挙の可能性がある中でなかなか進まない選挙協力を促そうと、志位委員長は2月19日の野党5党首会談でいきなり、「参院選1人区は野党統一候補のために共産党はすでに擁立している候補を取り下げる」と宣言し各党党首を驚かせた。

岡田氏に近い議員は、「これも岡田さんを刺激した。共産党が降りてくれるなら、1人区で民主党候補が統一候補になるところが増える。譲り合う野党共闘の流れに逆らうわけにはいかないと強く思った」と話す。岡田氏にプレッシャーをかけるために松野氏が打った芝居に乗った志位委員長。合流の裏舞台には、現実政党に脱皮しつつある共産党の影がちらついていたのだ。