「民進党」をナメてはいけない~合流の舞台裏と、自民が怖れる共産党との連携の可能性を明かそう

鈴木 哲夫 プロフィール

岡田を信じた松野

岡田氏の決断の背景には、岡田氏と松野氏の深部にあった信頼関係が作用したと見ていい。

「二人の関係が強固になったのは2014年の解散総選挙。このときも野党がバラバラでは戦えない、と選挙協力が模索されたが、当時の民主党の選対責任者が岡田さん、維新は幹事長だった松野さん。この二人が、民主と維新の候補者調整を極秘裏にやった。解散のその日も二人で姿を消し、220の小選挙区で候補を一本化した。

譲る、譲らないの難しい調整だったが、候補一本化しかないと一度決めたら、岡田さんは民主党候補も平気で降ろすなど徹底した。それを一緒にやった二人ですからね。今回の合流も、松野さんは『岡田さんは必ず決断する』と断言していました」(維新の党関係者)

今回の合流は解党・新党(新設合併)ではない。1998年に旧民主党に旧民政党など3党が吸収されたときと同じ形(存続合併)をとることになっている。民主党はそのまま残り、維新は解党して合流するというものだ。ただし、イメージを刷新するために、民主党の大半の議員も一旦離党して、維新の議員たちが合流してくるのと一緒に党に入り、新しい政党名、新しい綱領も作り直すという形だ。

これまで、民主党内の合流慎重の声には、「野党第一党は民主党。政権も獲った歴史を捨てることはない」(幹部)、「維新の連中は出戻りが多い。頭を下げるのは向こうでうちが解党する必要はない」(元幹部)、「政党交付金がまだ多く残っている。解党は資金的に大損」(ベテラン議員)などがあったが、存続合併は「反対の声を抑えるギリギリのやり方」(岡田氏周辺)だ。

ただ、「党名も変更、綱領も見直すというのは、傍から見ればどう考えても新党と胸を張っていい」と維新幹部は評価する。また、野党再編が望ましいとする連合幹部は、「岡田さんは『頑固』で『原理主義者』だが、早くからハラは『新党』で決まっていた。今回の合流の形式にも『維新に譲り過ぎ』などと党内に文句を言う人間はいるが、岡田氏はまったく動じていない。頑固さが今回は吉と出た」と話す。

一方の松野代表。

「戯言(たわごと)と扱う人もいたが、それをずっとずっと言い続けてきてようやく叶った」

岡田代表と合意した翌日、松野氏はごく親しい知人に電話をかけそう漏らした。「久々の電話だった。達成感が伝わってきた」(同知人)