福島原発「国会事故調」元委員長の告発「日本の中枢は、いまなおメルトダウンを続けている」

日本の脆弱さは、世界にバレていた
黒川 清

信用を失ったこの国

福島第一原発事故の当事者である東京電力のトップだった清水氏が、「もしあれがなかったらと思うとゾッとする」とまで明言した免震重要棟を、九州電力は「重要な根拠」も示さずに、「不要」と判断した。

福島第一原発事故の教訓は、どのように認識され、どのように受け止められているのだろうか。

「日本はいったい何を考えているのか?」と、世界は奇異の眼で見ている。3・11
以来、国際社会の中での信用を日本は失なっているのだ。

報告書では福島第一原発事故の事象ばかりでなく、再発防止に向けた提言を行った。事故の背景には日本社会のあり方が浮かびあがる。事故は「氷山の一角」であり、氷山の下には「規制の虜」「三権分立の機能不全」「民主主義の貧困」など、日本の統治機構の問題が数多く存在する。

このように、報告書には日本社会のエスタブリッシュメント(既成勢力)にとってあまりにも都合の悪いことばかり書いてある。報告書は「不都合な真実」だったのだろうか。現在の状況は国会事故調などまるで「存在しなかった」かのようである。

なお、国会事故調が参考人質疑を行った委員会やその後の記者会見、タウンミーティングの内容は、すべてウェブ上で、しかもほとんどが英語の同時通訳つきで公開されている。報告書は徳間書店から出版されている他、ウェブサイトでフルテキストを見ることができるし、英語版のフルテキストもウェブ上に掲載されている(国会事故調HP http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/ 現在、それらを電子書籍にしようという動きも出てきている)。

日本社会の「病巣」を確認する上でも、ぜひ、委員会の様子や報告書の内容を多くの人々に見ていただきたいと願っている。