小保方晴子さんに「読者からの手紙」続々

『あの日』が26万部のベストセラーに!
週刊現代 プロフィール

小保方さんがその中心にいた、'14年1月以降のいわゆる「STAP騒動」のときには、日本中が歓喜の頂点から絶望のどん底へ突き落とされた。

同年8月、小保方さんの上司にあたる理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井芳樹氏が自殺を遂げると、追及はいっそう小保方さんに集中した。

しかし、そんな狂騒の中で、内心、少なからぬ人がこう思っていた。小保方さんのことを、少なくとも一度は、日本中が信じたはずではなかったのか。彼女は捏造を繰り返し、研究者としてのし上がることだけを考えて行動してきた、本当にどうしようもない「悪人」なのだろうか――。

 

『あの日』の刊行まで、小保方さんは体調不良を理由に口を閉ざしてきた。彼女の肉声を待ちわびていた人々が、本書を読んで「わが意を得たり」と叫ぶ声は、ネット上でも数多く寄せられている。

ネット書店最大手・Amazonにおける『あの日』のレビュー数は、2月25日時点で574件で、そのうち330件以上が最高評価の「☆5つ」。一部を紹介しよう(以下、山カッコの中はAmazonレビューより。すべて原文ママ)。

〈 この本に書かれている内容に対して、理研・若山さん・ジャーナリストの皆さんはきちんと説明する必要があると思います。その回答が、この本を読んで不信を抱いている大勢の方達を納得させるものでなければ、その大勢の方達は、この本を信じることになるでしょう。僕もその1人です 〉

〈 一気に読みました。最後は涙が止まりませんでした。過酷で、理不尽で、救いがありません。あまりの無念さに胸が痛くなりました 〉

叩く人たちの心理

レビューの中で多くの読者が言及しているのが、「事件以後、小保方さん一人にすべての罪を負わせようとした、日本社会の異常さ」についてだ。

〈 著者に対する誹謗中傷は、常軌を逸してました。そこまで攻撃する権利が、あるのでしょうか。まるで、日頃のうっぷんや人生に対するうらみつらみを、彼女一人にぶつけているように見えました 〉

〈 善にみなされると徹底的に善とされ、悪にみなされると徹底的に悪とされる。(中略)初めは善と思い込んでいたものに疑いがかかると、手のひらを返して叩きまくる 〉

確かにこうした傾向は、小保方さんに対してだけでなく、スキャンダルの渦中にはまりこんだ著名人に対して、近年顕著にみられるようになった。著書に『他人を非難してばかりいる人たち』(幻冬舎新書)がある、精神科医の岩波明氏が言う。

「小保方さんは、割烹着を着て研究室で撮影を受けていたときから、理研が『アイドル』として売り出そうとしているのが透けて見えました。ですから彼女のことを、世間は科学者ではなく芸能人やタレントの枠でとらえてしまったのでしょう。

彼女のことを叩いている人の多くは、本職の研究者の方々を除けば、小保方さんに本気で怒っているわけではない。ただ彼女を断罪することで快感を得て、『自分は何を言っても許される』『自分には有名人を裁く権利がある』という万能感に浸っているだけです」

事実、Amazonのレビューで、330件超の「☆5つ」に次いで多いのは、最低評価の「☆1つ」、約130件である。『あの日』の評価が、読む人によって「最高の本」と「最低の本」の両極端に分かれるというのは、何とも興味深い現象だ。