「左が無理なら、右で投げれば」
元ソフトバンク松中を救った父の言葉

あの名投手も利き手ではなかった
二宮 清純 プロフィール

“ケガの功名”で活躍した名投手

劇画の世界の話ですが、「巨人の星」の主人公・星飛雄馬は続編となる「新・巨人の星」では右投手として復活をとげます。左ヒジを壊したため、右投げに変えたという設定でしたが、前作を超えるものではありませんでした。

現実の世界に話を戻すと、317勝投手のサウスポー鈴木啓示さんが実は右利きだった事実はあまり知られていません。それについてもお訊きすると、少年時代、自転車に乗っていて転倒し、右腕を骨折。ギプスをしている間に左投げに変えたそうです。文字どおり“ケガの功名”と言っていいでしょう。

206勝193セーブの江夏豊さんも元々は右投げだったという話を聞いたことがあります。野球好きの兄から左用のグラブを与えられ、仕方なく左で投げているうちに、めきめきと頭角を現していったそうです。

もし鈴木さんや江夏さんが右投げのままだったら、あれだけの大投手に成長していたかどうか……。プロ野球の風景も随分、違っていたものになっていたでしょう。