「長生き」がリスクになる社会〜すぐそこにある「老後破産」の危機

100歳まで生きるとこんなにお金がかかる
週刊現代 プロフィール

認知症患者の介護費用は、同じ要介護度でも非認知症患者のそれと比べて高額になる傾向がある。そのような高額負担に耐えられないのではないか、という不安に応える保険だが、加入する価値はあるのだろうか?ファイナンシャル・アソシエイツ代表の藤井泰輔氏が解説する。

「最近やたらとテレビや新聞で、シニア世代に狙いを定めた保険商品を宣伝していますが、私は入る必要はないと考えています。親や周囲に認知症の人がいると心配になる気持ちもわかりますが、そもそも公的な介護保険の条件も頻繁に変更されているような状況で、保険会社も介護保険に関しては試行錯誤の段階です。それならば、払うことになる保険料を現金で貯金しておいて、できるだけ健康的な生活を送るよう心がけるほうが現実的でしょう」

ファイナンシャル・プランナーの紀平正幸氏も認知症保険の加入には反対の立場だ。

「保険料が割高なうえ、介護認定の基準が官民で異なっており、公的な介護認定を受けていても保険金がもらえないケースがあります。そんな保険に入る意味はない」

今後、ますます認知症患者の増加が見込まれる日本で、患者にとってお得な認知症保険が発売されれば、保険会社のほうが潰れるのが道理だ。

高齢化社会では、もはや避けられない病、認知症—この病に備えるには、気休めに保険に入るよりも、いざというときのために資金を確保しておくことが肝要なのだ。

年金だけではど貧乏に!持ってる資産どうするか

国債はリスクが少ない

年金の不足を補うための貯金や退職金は、老後生活の大切な虎の子。それをどのように扱うかによって、晩年の資金計画は変わってくる。平賀ファイナンシャルサービシズの平賀初惠氏が語る。

「大きな貯蓄を持っていなくても、100歳まで安心して生きるための工夫はできる。リスクを取りすぎず、うまく運用すれば資産は『枯渇しない財布』になります」

定年退職するまで大きな資産を運用したことがなかったという人も多いだろう。そういう人が一番に気をつけたいのは、証券会社の「無料相談」に近づかないことだ。経済評論家の山崎元氏が忠告する。

「退職後の高齢者に近づいてくる証券マンには必ず下心があります。彼らにとって大切なのは客にいかに儲けを上げさせるかではなく、客からどれだけ手数料をむしりとれるか。高齢者にありがちな落とし穴は、暇で寂しいから話し相手になってくれる証券会社の相談員を、『この人はいい人だ』と信頼してしまうケースです。

しかし金融商品を買うときは、購入窓口と相談相手は別にするというのが鉄則。退職金が振り込まれた銀行の窓口で資産運用を相談するなんて、もっての外です」