2016.02.24

2020年、大学入試が「激変」する〜特に英語は大変革。求められる「スピーキング」能力

石川 一郎 プロフィール

「対話」のために基礎知識がますます必要に

それは英語の「スピーキング」の問題内容を考えると、わかります。

たとえば、「あなたは紅茶とコーヒーのどちらが好きですか?」という問いが投げられます。しかも15秒で考えて、45秒で英語で話しなさいというのが条件です。

こんな日常的な会話、どこが難しいのだと思うかもしれません。ところが、私たちの日常生活では、「コーヒー。好きだから」などと反応していないでしょうか。15秒も考えないし、45秒も話しません。条件反射的に話すだけです。

一方、テストでは、「紅茶ですね。英国が好きだからです。紅茶はまさに18世紀頃から世界を近代社会に導いた英国文化の象徴だからです。英国が東インド会社を展開したときに、大航海時代の交易の中で、紅茶を偶然見出したなどというエピソードがあるぐらいです。もちろん諸説ありですが、実におもしろいでしょう」などといった答えが求められます。

コーヒーであれば、たとえばコーヒー豆に関する「フェア・トレード」の広がりについて言及するなどしないと、45秒は持たないかもしれません。

実は外部の資格検定試験といっても、海外帰国生のクラスでふだん活用しているのは、TOEFLやIELTSです。前者は米国の大学、後者は英国の大学に進むときに必要になりますから、必然的に英米の教育文化が背景にあります。

英米の教育文化は「対話」にありますが、日常生活における対話も、日本人にとっては少しひいてしまうほど、“I think…….Because…….”の応酬です。

海外で大学に入学するというのは、この対話に教養を満たせるというのが大前提です。従来は知識があり、これを英語でしゃべれれば良かったのですが、さらに自分の意見を論理的に伝える能力も問われるのです。

したがって、海外で民間の資格検定試験対策に慣れ親しんでいる帰国生クラスでは、英語以外のすべての教科においても、自分の考えや意見を論理的に表現するのは普通の感覚です。

2020年の大学入試改革の肝は、グローバル人材を育成できる大学の改革はいかにして可能か、その改革に耐えうる学生を確保する新しい入試問題はいかなるものかにあります。当然、海外の大学入試問題が大きなヒントになっています。

では、どんな問題でしょう。

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