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島地勝彦×加瀬英明 【第4回】
島地 勝彦 プロフィール

加瀬 ちょっと失礼してトイレに行かせてください。

シマジ どうぞ、どうぞ。

《しばらくして加瀬さんが戻ってくる》

加瀬 トイレに架かっている額をみていて、思い出したことがあります。

シマジ ああ、須田剋太の額ですね。あの画家は司馬遼太郎の『街道を行く』の最初の挿絵を描いた人です。

立木 どうしてシマジがそんなもの持っているんだ。

シマジ たまたま、わたしが親しくしていた徳本満弥さんという人のおじさんが須田さんで、気前よく原画をくれたんですよ。

立木 お前は人からいろんなものをもらうよね。

シマジ それは今東光大僧正直伝です。

加瀬 何の話でしたっけ。あっ、そうそう、あの額に書いてある「猪突猛進」で思い出したんですけど、「干支」というのはメソポタミアで生まれ、中国、韓国を経由して日本に入ってきたものなんですが、中国と韓国では、猪年はなく「豚年」なんですよ。豚年に生まれると金持ちになるといわれていて、物凄くお目出度いことなんです。だからわざわざ豚年に合わせて子供を産んだりするそうですよ。

シマジ それは知りませんでした。

ヒノ 豚は繁栄のシンボルなんでしょうね。そういえば中国や韓国のお土産に、金色の豚の貯金箱があります。

加瀬 「家」という字があるでしょう。うかんむりの下の「豕」はやはり豚を意味する漢字です。これは、昔の中国では家のなかに豚を飼って一緒に生活した名残りです。残飯や排泄物が餌ですから、豚小屋はもちろん不潔ですよ。だからでしょうか、日本から遣隋使や遣唐使が何度も往復していますが、豚は連れて帰ってこなかった。

それから「美」という字はですね、羊が丸々太って大きい様子を表していますよね。つまり、古来中国では、唾液腺と美意識が1つになっているんですね。

シマジ 加瀬さんは子供のころから英語ばかりではなく漢籍も習っただけあって、さすがに物知りですね。