名門ヤンキース、復活なるか?
田中ら先発陣ほか、カギを握る4つの見どころ

スポーツコミュニケーションズ, 杉浦大介

A・ロッドとテシェイラに力は残っているか

昨季最大の“うれしい誤算”は、アレックス・ロドリゲス、マーク・テシェイラという2人のベテランが合計64本塁打を放ったことだった。彼らに引っ張られ、チームはリーグ2位の764得点をマーク。今季も標準以上の得点力を保つために、両雄のハイレベルの働きが再び必要になってくるに違いない。

昨季は地元ファンから歓声を浴びたロドリゲスは今季も中軸を任されることになる Photo By Gemini Keez

ただ、DH専門になって息を吹き返したA・ロッドはすでに40歳。テシェイラも4月で36歳になり、しかも足の骨折明けだけに、昨季同等以上の数字を望むのは酷というのが一般的な見方ではある。

ヤンキースは今オフにトレードでスターリン・カストロ、アーロン・ヒックスといった若手を手に入れたが、彼らは中軸を打つ選手たちではない。成長株のグレッグ・バードも肩のケガで今季絶望になり、故障者発生時の保険も不在になってしまった。

そんな状況下で、キャリア終盤に差し掛かった2人のベテランがどれだけ打線を支えられるかに注目が集まる。

昨季成績  試合数 打率 本塁打 打点 出塁率  OPS
ロドリゲス 151  .250  33  86 .356  .842
テシェイラ 111  .255  31  79 .357  .906

チャップマンはすぐに力を発揮するか

2016年版ヤンキースの最大の強みが、超強力なブルペン3本柱(デリン・ベタンセス、アンドリュー・ミラー、アロルディス・チャップマン)であることに異論の余地はあるまい。

9イニングあたりの平均奪三振で、昨季メジャートップ3だった剛腕トリオ。迫力たっぷりのこの3人は、近年は魅力不足だったチーム内で新たな呼び物になるはずだ。
 
中でも新加入のチャップマンは、ご存知の通り、最速105マイルの歴史的な速球王。キューバ出身の左腕がマウンドに立てば、ファンの目はスコアボードに、スピードガンに釘付けになるに違いない。
 
また、対戦相手にも、“3人が登場する6〜7回までにリードを奪わなければいけない”という強烈なプレッシャーを与え続けることになる。今季のヤンキースには穴は多いが、それでもプレーオフ進出のチャンスは十分にあると考えられているのは、端的に言ってこのトリオの存在ゆえである。
 
ただ……心配事があるとすれば、昨年10月に起こした恋人への家庭内暴力事件ゆえ、チャップマンに出場停止処分が課される可能性があること。

何試合を抜けることになるのか。予想されている通り15試合程度だったとして、処分はパフォーマンスにどう影響するか。復帰後も敵地では罵声にさらされることは必至だけに、精神的な動揺も気にかかるところだ。

昨季成績  登板数 セーブ 防御率 K/9
ベタンセス  74   9  1.50  14.04   
ミラー    60   36   2.04   14.59
チャップマン 65   33   1.63   15.74