目標を達成する人は「絶対にやらないこと」を3つ決めている

五郎丸ルーティーンの生みの親が明かす「心の鍛え方」
荒木 香織

ところが、実際に達成しているかといえば、どうでしょう。立てるだけ立てて、意外と達成していないのではないですか?

よくあるのが、「PDCA」の罠。生産管理を円滑に進める手法として、PDCAサイクルというものがあります。P=Plan(計画)、D=Do(実行)、C=Check(確認)、A=Act(改善)の頭文字をとったもので、この四段階を繰り返すことで、業務をスムーズに行えるというわけです。

それは間違っていないのですが、往々にしてそのサイクルをくるくる回っているだけになってしまい、「はて、目標は何だったっけな?」となりかねない。いったい何のためにやっているのかわからなくなってしまい、単に失敗しないための対策になってしまうわけです。

そうしたことを避けるためにも、期限を決めることが必要です。

目標に追われて、やりすぎない

ケガのため、しばらくチームから外れていた選手がいました。

ケガが治って復帰したのですが、ブランクがあるぶん、ほかの選手のレベルにできるだけ早く追いつこうと考えて、とてもがんばりました。

その結果、同じレベルまで戻った。ところが、今度はそれを維持しなければいけない。そのためにまた、「もっとやらなければいけない」と考えて、筋トレやスピードを増すトレーニング、さらには栄養学や身体とメンタルのケアまで、あらゆるノルマを自分に課しました。

おそらく、たくさんの課題をこなすことで、不安を解消しようとしていたのだと思います。だから手当たり次第にいろいろなことをやってみた。たしかに、そうしていれば不安になっている時間などないのかもしれません。

けれども、そうやって自分を追い込むことが、果たしていちばん肝心なパフォーマンスの向上につながっているか――。

私にはそのようには見えませんでした。ほかの選手よりたくさんのことをやるので、身体は疲れるし、移動時間は人より多いし、さらに言えばお金もかかる。でも、パフォーマンスは決して上がっていないのです。

「やりすぎているな……」

話を聞いて、私は思いました。

試しに「やりたいことを書いてみて」と言うと、びっくりするほどたくさんのリストができあがりました。どう考えても、やらなくてもいいことまで書き出されています。