神戸山口組「中央高速大封鎖」の一部始終
長野発 対立するヤクザを足止めしようと…

週刊現代 プロフィール

まるで六代目と神戸の膠着状態を表すようでもある、両陣営のにらみ合いの後ろには、多くの一般車が息をひそめるように連なっていたという。

「一般車も巻き込んだ大事故に発展するかもしれないと、警察は中央道を管理する『中日本高速道路』に連絡。双方のクルマが北上するのに合わせ、まず、午前9時48分頃に飯田インターと松川インター間を17分間。続いて、松川インターと駒ヶ根インター間を9分間、駒ヶ根インターと伊那インター間を17分間、通行止めにしました」(全国紙社会部長野支局記者)

かくして、抗争は未然に防がれたかに見えた。が、竹内組の妨害計画は、敵対組織を追い回すだけではなかった。

飯田インターから長野方面へ約50km。伊那インターに、「援軍部隊」を待機させていたのだ。

前出の中日本関係者が語る。

「ETCを通過してすぐの場所に、竹内組のクルマが2台、停車していました。攪乱作戦かどうかはわかりませんが、飯田インターから入ったのと同じように、黒塗りとシルバーのスポーツカータイプのコンビだった。3~4人の男がクルマから降りて、周囲を窺っていましたが、明らかに殺気立っていましたね」

次の事件はいつ、どこで

おそらく、飯田インターから入った2台から、「敵のクルマがまもなく通る!」と連絡が入ったのだろう。午前10時40分頃、待機していた2台が高速へと入り、追い越し車線と走行車線に停車。ここで再度、中央高速を封鎖し、迎撃の構えをとった。

「ここにも網を張っていたんでしょう。直後、大勢の警官隊が駆けつけ、竹内組の援軍部隊を包囲。乗っていた組員は逮捕され、クルマもレッカーされました。結局、通行止めが完全に解除されたのは、午後2時25分でした。

しかし、気になる点もあります。レッカーされたのはこの2台、逮捕されたのは4人だけなんです。飯田インターから入ったもう2台の竹内車と、敵対組織のクルマはどうなったのか。騒動に乗じて、逃亡したのか。それほどの大混乱でしたから」(前出の社会部記者)

事件現場となった伊那地方は、大人気大河ドラマ『真田丸』の中で、武田軍と織田軍が戦った場所。激しい勢力争いがあった戦国時代さながら、六代目山口組と神戸山口組による熾烈な抗争が、この地で展開されていたのだ。

飯田市内でスナックを営む女性が言う。

「我々のような女の子がいる店だけでなく、飯田市内の飲食店はみんな悲鳴をあげています。お客さんが、暴力団を恐れて寄り付かなくなったんです。夜に大勢で飲みに歩くのはもちろん、昼間でも、ヤクザが商店街を闊歩しているんですから、当たり前ですよね。

敵対組織との熾烈な抗争を繰り広げる彼らにとっては、警察も怖くないようです。竹内組の組員なんて、パトカーで居眠りをしていた警官を『寝てんじゃねえ!』と恫喝していたくらいですからね。ここらの地域では、昔は極道が一般人に迷惑をかけることは少なかった。今回の事件はひどすぎます」

抗争の「最前線」長野で、また想像を絶する事件が起きても、何ら不思議ではない。

「週刊現代」2016年2月20日号より