マイナス金利下の資産運用術「買っていいマンション」「買ってはいけない外貨」

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タワマン人気も陰りが見えてきた〔PHOTO〕gettyimages

ここのところの都心の物件の値上がりを支えてきた2つの「エンジン」も弱体化が目立ってきた。前出の榊氏が解説する。

「タワーマンションの高層階は、販売価格に比べて税金を計算するための評価額が低くなる。そのため相続税が抑えられる傾向があり、有力な相続税対策とみなされてきました。しかしここに来て、評価額の不均等をなくし、タワーマンション節税を規制しようとする動きが出てきた。今後は、税対策のためにタワーマンションを買うという資産家はいなくなるでしょう。

加えて、相続対策でアパートを建てた人も、空き部屋が多くて頭を悩ませています。

もう一つ、都心の不動産高騰を支えてきたのは、中国人を中心とした外国人による『爆買い』。現時点で、不動産の爆買いが落ち着いてきたという話はないが、観光客による一般的な消費額は落ちてきているようです。この流れが少し遅れて不動産業界にも波及するのは確実です」

そもそも、今回マイナス金利が導入された理由は、株式市場が冴えず、日銀が目指す物価の上昇の目途も立たないからだ。不動産市場は、株式市場の動きを半年から1年ほど遅れて追いかける傾向があるので、今後、不動産市場も頭打ちになる可能性が高い。

では、今後どのような場所の物件が下がるのか、あるいはどのような場所なら値下がりが避けられるのだろうか。

「バブルの発生による不動産価格の高騰は、都心→世田谷→川崎(武蔵小杉)→横浜→埼玉→千葉と、時計回りのカタツムリの殻のように広がるというセオリーがあります。現在のバブルは横浜まで波及して、そこで止まっている。従って、今後バブルが崩壊して真っ先に落ちるのは、横浜、続いて川崎、世田谷、都心と続くでしょう。そう考えると、横浜やブームだった武蔵小杉などのマンションは、売る気があるのなら早めに売却した方がいい」(榊氏)

一方、長嶋氏は国交省が首都圏の鉄道沿線の高齢化と人口減少を比較した資料をもとに分析する。このような状況下でも、上がる可能性のある場所はあるのか?

「人口が増えて、高齢化の影響が少ない路線沿いは、価格が上がる。

例えば、田園都市線、京王線、東急東横線などが挙げられます。なかでも田園都市線は、今後も生産年齢人口の増加が見込まれていますので、同路線の不動産は『買い』でしょう」

「金利が安いうちに」と買い急ぐ人は、物件選びをよくよく慎重にしておきたいところだ。

「週刊現代」2016年2月20日号より