東京大学・物価のスペシャリストが提唱!「賃金ターゲットが日本経済を救う」

アベノミクスはもう古い?
藤岡 雅 プロフィール

このままではデフレに逆戻り

こうした分析の結果、私は日銀が「インフレ・ターゲティグ」を返上し、「賃金ターゲティング」を導入することを提案します。物価が上がると賃金が上がるという常識は、物価を見続けてきた専門家なら理解できるが、一般の方々には理解されづらい。

しかも「インフレ・ターゲティング」は物価上昇が2%に達すれば、そこで目標が達成され、タイムラグのある賃金上昇の前に政策がしぼむ危険がある。これを防ぐために日銀だけでなく、政府も「賃金ターゲティング」を公約とするのです。例えば今、自民党は最低賃金の引き上げを検討していますが、こうした賃上げのための政策に本腰をいれることが必要でしょう。

その目標値はどの程度か。名目賃金の上昇率は、【物価の上昇率+労働生産性】で導かれます。物価が2%上昇すると、労働生産性が2%ほどあがるはずです。ですから賃金上昇率の目標は4%と掲げるのが適切でしょう。「賃上げ目標4%」を日銀、政府の共通目標にすれば、歯を食いしばって、賃上げのための政策を繰り出すはずです。

年初以来、世界的な株安が続いています。消費税8%増税の影響で東大物価指数は一時、低下しましたが、昨年の4月から夏場にかけて元気よく上昇していました。ところが逆オイルショック、ドイツのフォルクスワーゲンショックへの懸念が広がった10月ごろからは横ばい。さらに年明け後は伸び悩みが目立ってきています。

今、アベノミクスは明らかに、壁にぶつかっていると言えるでしょう。このままではデフレ経済に逆戻りしてしまう。今こそ「賃金ターゲット4%」を導入するべきです。