自衛隊「海外派遣」、私たちが刷り込まれてきた二つのウソ〜ゼロからわかるPKOの真実

20年以上ずっと憲法違反
伊勢崎 賢治 プロフィール

ウソで固められた土俵の上で

つまり、自衛隊の派遣は、「武力の行使」と「交戦権」を禁じる9条に、20年以上前に自衛隊がカンボジアPKOに送られてた時から、ずぅーと、違反しているのだ。

こんな、現場に行けば(行っても自衛隊の追っかけばかりやっていなければ)簡単にわかることを、メディアが、それも派遣反対のメディアが、世論が、リベラル政治勢力が、検証を怠ってきた。

本当に、ふざけるな、なのである。

日本国民の、自衛隊へのアレルギーを取るために、PKOという"崇高"な目的を使い続けてきた歴代自民党政権の戦略にブレは無い。9条と抵触させないための見え透いた刷り込みは、着実に成果を上げ、自衛隊への好感度は国民にしっかり定着した。

安倍政権の今、野党/与党の対立の政局は、依然として、その刷り込まれたウソで固められた土俵の上に、繰り広げられている。安倍政権打倒を叫ぶ野党結集にも、その土俵を土台からひっくり返すことを結集の結節点にする声は、皆無だ。ただ、ABEの悪魔化と憎悪があるのみ。

いつまで、これを続けるのか。

伊勢﨑 賢治(いせざき・けんじ)
1957年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。インド国立ボンベイ大学大学院に留学中、現地スラム街の住民運動に関わる。2000年3月 より、国連東チモール暫定行政機構上級民政官として、現地コバリマ県の知事を務める。2001年6月より、国連シエラレオネ派遺団の武装解除部長として、 武装勢力から武器を取り上げる。2003年2月からは、日本政府特別顧問として、アフガニスタンでの武装解除を担当。現在、東京外国語大学教授。プロのト ランペッターとしても活動中。著書に『武装解除 紛争屋が見た世界』、『本当の戦争の話をしよう』などがある。