年間なんと800万トン!
日本はいつから「食品過剰廃棄」社会になったのか

「モッタイナイ」はどこへ?
週刊現代 プロフィール

企業が何よりも恐れているのは、こうした非難の矛先が自社に向くことだ。もしココイチが、異物が混入した可能性のあるカツを客に出し、それが後で露見していたら。先ほど紹介したような悪罵は、すべてココイチに向けられていただろう。

「業績が悪化していたマクドナルドに追い討ちをかけ、日本法人株の一部売却まで追い込んだのも、一昨年の末に発覚した異物混入事件でした。それ以来、多くの企業が『少しでも危ない商品は、全部廃棄しよう』と考えるようになった。

でも常識的に考えれば、異物が混じった商品に出くわしたとしても、メーカーに連絡して交換してもらえば済むはずでしょう。不祥事を隠す企業は許してはなりませんが、消費者の側も、過剰反応を戒めることが必要ではないか」(前出・大西氏)

異物混入への不安に加えて、消費者の間で「賞味期限切れ=食べられない」という考え方が当たり前になったことも、廃棄の増加に拍車をかけている。消費者問題研究所代表で、食品表示に詳しい垣田達哉氏が言う。

「現在、小売店では製造から賞味期限までの期間の3分の2を過ぎると売り場から下げるという暗黙のルールがあります。また、『賞味期限が近い商品を売って万が一問題が起きては、経営危機にもつながりかねない』と、特に大手企業の間で、早めに処分する傾向が強まっているのです」

ある大手スーパー役員も、こう明かした。

「商品が完売したら終わり、つまり『売り切れ御免』にすれば、廃棄量は今の5分の1まで減らせるでしょう。しかし、それをやったら文句を言うのは消費者です。『せっかく買いに来たのに、売り切れとは何だ』と。だから、廃棄が出るのを覚悟で商品を並べるしかない。

延びる一方の営業時間も問題です。深夜でも、商品を極端に減らすわけにはいきませんから、やはり廃棄が増えることになる。完全な悪循環です」

過剰廃棄社会

もちろん一部には、ムダをなくそうという動きもある。NPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」では、廃棄される予定の野菜や加工食品、米・パンなどを企業から引き取り、児童養護施設や福祉施設に提供する活動を行っている。

「企業の側には、廃棄を減らしたいと思ってもなかなか難しい現状がある。一方で、近年は子供や高齢者の貧困問題など、日本国内でも食料が足りていないことが目に見えるようになっています。