ついに建て替えが決まった「横浜・傾きマンション」住民に提示された破格の補償内容とは?

週刊現代 プロフィール

「横浜のマンションでは、傾いていたのはウェストコートと呼ばれる建物だけです。まだ傾いた原因は特定されていませんが、他の3棟の住民からは、『ウェスト棟だけ建て替えればいいのでは』と冷ややかな声が出て、住民が分断されて問題が長期化すると予想された。

しかし、いざフタを開けてみれば、多くの住民が一致団結して同じ方向を向いていた。同じ被害者としてまとまらなければいけないという強い意志さえ感じる。ただでさえ難しい『全棟建て替え』がこれほど短期間で現実味を帯びてきたのは、前代未聞です」(不動産コンサルタントのオラガ総研代表・牧野知弘氏)

マンション管理組合は今回のアンケート結果を踏まえて2月27日に総会を開催し、正式な方針を決定する見込み。全棟建て替え決定へ、大きな一歩を踏み出すことになるわけだ。

超破格の補償内容

「マンションの全住民にとって、より得する方向に物事が動いてきたと言えます」

不動産評論家の阿部悠一氏は言う。

「すべての棟を建て替えるのは面倒だから、傾いたウェスト棟だけ建て替えをしたほうがいいと考える住民はまだいらっしゃるようです。が、実はそれは全住民にとって損な選択になりかねません。

というのも、今回の騒動をきっかけに、このマンション全体のブランド価値が落ちてしまった。仮にウェスト棟だけを修繕しても、価値は戻らない。全棟建て替えで新しいマンションに生まれ変わらない限り、このブランド価値毀損の問題は解決されません。

さらに、三井不動産側は『全棟建て替え』を前提に、こんな大盤振る舞いは見たことがないという補償内容を提示しています。全棟建て替えの実現性が見えてきたいま、住民はその大盤振る舞いをまるまる享受できる可能性が出てきた」

三井不動産が住民側に提示している補償内容を具体的に見ると、確かに破格である。

まず慰謝料は、全住戸一律で300万円。

建て替えとなった際には、住民は別の場所への仮住まいが必要になってくるが、その家賃は三井不動産が負担。引っ越し代なども実費で出してもらえる。

「仮住まい先に引っ越す際にかかる敷金、礼金も支払ってくれるようです。また、高齢者の場合は入居審査が厳しいことから保証会社に支払う費用が発生しますが、これも補償されると聞きました。仮住まい先がいま住んでいる部屋より狭い場合は、入りきらない荷物を置くレンタル倉庫代も出してもらえるという話です」(ウェスト棟の住民)

三井不動産はマンションを出ていきたい人には部屋の買い取りにも応じる姿勢を見せており、その買い取り価格は、「新築分譲想定価格」。いま同じ場所にマンションを建てた場合の新築想定価格で買い取るという。