2016.02.03
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ブーム到来!埼玉県民の「自虐とプライド」が日本中で密かに愛されている

ギャク漫画が火付け役
週刊現代 プロフィール

埼玉県民にとって最大のコンプレックスは、おそらく「海なし県」であることだ。事実、埼玉県民に「埼玉のどこが不満か」と尋ねると、10人中10人が「海がないところ」と答えるのである。

「正直、海辺の町とかナントカ海岸とか、響きだけでもう、うらやましいですよ。ここから海まで、車で最低3時間はかかるし。子供たちにはちゃんと海を教えてあげたいから、毎年夏になると千葉の外房に行ってます。

埼玉だからって、肉ばっかり食べてると思うでしょ?でも私、魚のほうが好きです。うちの近所のスーパーには、新潟から関越道を通って新鮮な魚が直送されてきますから。回転寿司のお店もいっぱいあるし」(春日部市在住の30代女性)

長野や群馬だって海なし県じゃないか、と思う読者も多いことだろう。その通りである。なぜか埼玉県民だけが、海をやたらと崇めたてまつり、わざわざ子供たちを連れて行って「教育」までしているのだ。浦和出身の40代男性も言う。

「やっぱり埼玉のプールでナンパなんてダサいでしょ? 若い頃は電車に揺られて(神奈川の)由比ガ浜とか湘南まで行って、よくナンパしたなあ。でも全然うまくいきませんでしたね。埼玉から来た、なんて言えないもん。

むしろ、埼玉に帰って来てからが本番なんです。日焼けしてサングラスかけて、『海に行こう』って誘うのが必勝パターン。埼玉って、なぜかサーフショップが多いんですよ。カラオケ行ったら、神奈川の奴よりサザンオールスターズに詳しかったりしますからね」

そんなにダサくないって

実は今、千葉県の外房沿岸には埼玉県からの移住者が急増している。若かりし頃、湘南や鎌倉でシティ・ガールに撃沈された、ほろ苦い思い出を持つ埼玉の男たち。彼らが大人になり、第二の青春を浜辺で追いかけるべく、続々と移り住んでいるというわけだ。行田市出身の50代男性。

「私は長年勤めた地元の工務店を辞めて、2年前に房総に引っ越し、大工をやってます。気付いたんですけど、埼玉は楽しくないんだな。駅前から色あせた住宅街が延々と続いてて、退屈というか辛気くさいというか……。

あ、でも決して埼玉が千葉に負けてるわけじゃないと思いますよ。そもそも、千葉は埼玉のライバルじゃない。成田空港もディズニーランドも幕張メッセもあるから千葉の圧勝だ、なんて言う人がいるけど、どっちが都会かでいうと埼玉でしょ? 千葉は埼玉県民のリゾート、ってとこじゃないでしょうか」

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