SMAP独立騒動から20日…そしてすべては「なかったこと」になる

週刊現代 プロフィール

世間を騒がせた「SMAP解散騒動」は、育ての親とされる飯島三智マネジャー(58歳)と共に独立を企てた4人が、ジャニー喜多川社長(84歳)とメリー喜多川副社長(89歳)に謝罪することでひとまず収束した。

だが、よく考えるまでもなく、これは異様だ。

アイドルとはいえ四十路を迎えた大の男たちが、自らの意思で進退を決めることもままならず、公共の電波を使って強制的に「騒動のお詫び」をさせられる。スポーツ紙には誰の意向か出所不明な、素人目にも偏った情報が垂れ流され、「叛逆者」は吊し上げられた。

そして、それに同調せず、結果として仲間を「売った」者が、あたかも「ヒーロー」のように祭り上げられる……。

まさに芸能界の「闇」が凝縮されたような騒動だと言えるが、クーデターに失敗し、会見で苦悶の表情を浮かべる中居正広の姿を見て、15年ほど前に政界で起きた、ある事件を思い出した人も多いのではないか。

'00年、第二次森喜朗内閣当時。衆議院本会議に向けて野党が内閣不信任案を提出する動きを見せると、自民党の加藤紘一元幹事長は、それに同調することを表明し、森政権に反旗を翻した。いわゆる「加藤の乱」だ。

だが、このクーデターは、当時幹事長を務めていた野中広務氏による党内引き締めにより失敗に終わる。敗北を悟った加藤氏は派閥総会を開き、「この上は自分だけでも不信任案に賛成を」と訴えたが、側近の谷垣禎一氏(現自民党幹事長)から「加藤先生は大将なんだから!独りで突撃なんてダメですよ!」と慰留され、涙ながらに造反を諦めたのである。

あの日泣いた加藤と同じ

「加藤の乱とSMAP解散騒動は確かに似ていますね」と語るのは、政治評論家の鈴木哲夫氏だ。

「政界と芸能界はまったく違うようでいて、実は似たところがあります。どちらも閉鎖された社会であり、独特のしきたりが残っている。よく『永田町の常識は世間の非常識』と言いますが、芸能界も同じところがあるということでしょう。

そのしきたりを破った加藤さんは、その後、政治家としての輝きをすっかり失ってしまいました。加藤さんに限らず、政党を飛び出したり、飛び出そうとして出戻りした人たちの大半は、その後冷や飯を食わされている。中居さんの場合も、同じような境遇に陥る可能性はあるでしょうね」

加藤氏の失敗は、一度は「王」(当時なら森総理や自民党の中枢部)に反旗を翻す決意を下しながら、形勢が悪くなった途端、いきなり腰砕けになったことである。

加藤氏に相応の覚悟があれば、たとえそのクーデターが未遂となっても、自民党を飛び出して裸一貫からやり直し、筋を通す道を選んだはずだ。

ところが加藤氏はそうしなかった。「周りに説得された」という体をとり、要するに日和ってしまったのである。