イトーヨーカ堂社長が「逆ギレ辞表」を叩きつけるまで一部始終

鈴木敏文会長に叱られて
週刊現代 プロフィール

もう一つの理由は、会長の健康問題。昨年12月初旬、鈴木氏は体調を崩し一時入院した。数日後には「みんな、あいつがいなくなればいいと思ってるんじゃないか」と冗談を飛ばしながら復帰したが、「絶対的カリスマ」とはいえ、いつかは一線を退く日が来る。目の黒いうちにヨーカ堂改革にケリをつけたいという思いが強まっただろう。

さまざまな要因が絡みあい、戸井氏への風当たりはこの上なく強まった。「そこまで言うのなら、あなたたちでやったらいいじゃないか」——辞表を叩きつけた戸井氏の心中には、そんな思いがあったに違いない。

後任の亀井氏は、抜本的改革を進めるには年を取りすぎているし、そもそも改革を放置してきた張本人だ。一方で、戸井氏に代わる人材はヨーカ堂内に育っていない。

本誌は東京都町田市の自宅で戸井氏に胸中を尋ねたが、「個人的に話すことはできません」と淡々とした応対だった。

鈴木会長の剛腕や、生え抜きエースの登板をもってしても成果の出ないヨーカ堂の改革。かつて小売りの雄として名をはせた名門が復活する日は訪れるのか。

「週刊現代」2016年1月31日号より