箱根駅伝「青学完全連覇」を語ろう!
史上最強の秘密は常識外の「組織作り」にあった

原晋×中野ジェームズ修一×二宮清純×弘兼憲史
週刊現代 プロフィール

「出る杭」であり続ける

二宮 体幹はともかく、腕振りについて、選手たちは高校時代に教わっているでしょう?

 教わってないですね。私は中国電力の陸上部をクビになってから営業マンになり、監督就任まで競技から10年間離れていました。けれども、戻ってきたらまだ同じ練習をやっているんですよ。どうも陸上の指導者は新しいことを学ばず、自分の知識の中で選手を管理してしまう傾向がある。

中野 その点、私が最初にお会いしたときに、監督は「僕は素人だから、中野さん教えてよ」って言ったんです。私が持っていた陸上の監督のイメージとはだいぶ違っていたので、びっくりしました。

二宮 原監督は10年間のビジネス経験で、組織に新しいものを取り入れないと、イノベーションが起きないと知っていた。

 いろんな人の知識と協力を得ながら、陸上界の常識にとらわれない今の青学を作り上げました。中野さんのトレーニングは腹筋が6つに割れたりと、見て分かる変化がすぐに表れるものではないし、長距離界にフィジカルトレーナーは無縁の存在だったから効果も未知数。ですが、中野さんの理論には納得できる部分が多く、1年間は信じようと思っていました。

二宮 私は常々、マラソンの前にする屈伸、あるいはアキレス腱を伸ばせみたいな準備運動が走ることに、どこまでつながっているのかなと思っていましたが……。

中野 その通りです。そもそもアキレス腱は伸びません(笑)。

 モモ上げ1000回、腕振り1000回、全部無駄なことなんです。