映画監督・塚本晋也さんが選ぶ人生最高の10冊

物語の中で描かれる「リアリティ」を見つめ続けて

塚本晋也さんのわが人生ベスト10冊

第1位『野火
大岡昇平著 新潮文庫 400円
太平洋戦争末期。ひたすら食糧を求めてフィリピンの密林をさまよい歩く日本兵たちの惨状を綴る戦争文学の金字塔

第2位『悪魔のように細心に! 天使のように大胆に!
黒澤明著 東宝 入手は古書のみ
『姿三四郎』から『デルス・ウザーラ』まで25作品の資料写真。映画の編集、シナリオづくりに関しての随想を収録

第3位『太平洋ひとりぼっち
堀江謙一著 舵社 1429円
「お金はない。でも、ヨットが必要というので綿密に資金集めの計画を立てる。『野火』を撮る際の心のバイブルです」

第4位『少年探偵』シリーズ 江戸川乱歩著『夜光人間』
ポプラ文庫 540円他
名探偵・明智小五郎と助手の小林少年。そして怪人二十面相。日本中の子供を虜にした名作

第5位『火の鳥』未来編・鳳凰編・宇宙編・復活編
手塚治虫著 角川文庫他
「鳳凰編で極悪人がてんとう虫を生かす場面が印象的。長い時間旅したような読後感です」

第6位『哀しい予感
吉本ばなな著 幻冬舎文庫 395円
「別の場所に本当の現実があるというのは、僕の『鉄男Ⅱ』に繋がります」

第7位『余白の愛
小川洋子著 中公文庫 590円
「聴覚障害のある女性が男性に惹かれたのが速記をする手だったり、静謐な描写がいい」

第8位『光る風
山上たつひこ著 フリースタイル 1900円
戦時の恐怖を描き、衝撃を与えた長編漫画。初出は'70年の「週刊少年マガジン」

第9位『阿寒に果つ
渡辺淳一著 中公文庫 680円
画才を称揚されるも自死する女子高生と男たち。「自分も20歳が寿命と思い、焦りました」

第10位『漂流教室』(全6巻)
楳図かずお著 小学館文庫 各581円
荒廃した未来へ学校がタイムスリップ。食糧争奪、怪物の襲撃・・・・・・戦慄のパニック漫画

『週刊現代』2016年2月6日号より