作業をするな、仕事をしろ!
〜ビジネスのキモは「仮説の立て方」にある

セブン‐イレブン創業者・鈴木敏文の教え
鈴木 敏文

「モノ」ではなく「コト」を売る時代

なぜ、仮説を立て、売り手から顧客に向けてメッセージを発信しなければならないのか。消費が飽和したいまの時代は、「どんな商品がほしいか」、顧客自身もわからないからだという。

いまはお客様自身に「こんな商品がほしい」という意見のない時代で、現物を提示されて初めて、こんなものがほしかったと気づきます。そのため、「今日のお客様」に明日はどんな商品がほしいか聞いても、いまないものについては答えられない。

しかも、ニーズがめまぐるしく変わるため、「明日のお客様」の求めるものも変わり続け、お客様自身もわからない。だから、「明日のお客様」に向けて、メッセージを発信する必要があるのです。

メッセージとしての仮説を立てるとき、根底にあるのは同じ「おにぎり」でもできるだけお客様に満足してもらいたいという思いです。なんら仮説も立てず、適当に発注しているかぎり、それは単に梅おにぎりというモノにすぎません。

一方、自分なりに仮説を立てて発注すれば、そこに意味が込められ、単なる梅おにぎりから「陽気のいい日の釣りの昼食には梅おにぎりがいいのでは」というコトに変わります。

仮説を立てるとは、お客様にどんなコトをメッセージとして伝えるか、そのストーリーを考えることであり、お客様はそのストーリーに共感して買う。このとき、お客様と売り手とのあいだで強い関係が生まれるのです。