大阿闍梨が明かす少年時代「中学校に入ってからは、パチンコ屋さん通いがやめられませんでした。なぜなら…」

島地勝彦×塩沼亮潤 【第3回】
島地 勝彦 プロフィール

塩沼 でも、そのうちに先生もわたしの家庭の事情がわかってきたようで、パチンコ屋さんで会うと「今日は出ているか?」といって肩をポンと叩かれたりしました。仕舞いには、もの凄く仲良くなって、わたしから「家に遊びにきてください」と誘いまして、うちで一緒にご飯を食べるまでになりました。

シマジ まるで小説のような、感動的なお話ですね。その先生の惻隠の情が目にみえるようです。涙が出そうです。

立木 シマジ、泣くな。泣くなよ。お前の濁った涙が蒸発して天に昇って雨になり、川に流れて水道の水になったとしたら、おれはそんな水は絶対に飲みたくないし顔も洗いたくない。シマジの涙で出来た水は邪悪な味がするに決まっている。

シマジ タッチャンにそこまでいわれると泣きたくても泣けなくなるじゃないですか。本当にいまの大阿闍梨のお話を聞いて涙がジ~ンと滲んできたんですがね。

どんなに家が貧しくても胸を張って明るく生きる塩沼少年の姿が目に浮かびます。こころまで貧しくなっていない証拠ですね。「貧すれば鈍する」というのは塩沼さんには通じない言葉だったようですね。

ヒノ 今日は一滴もシングルモルトが登場しないから、いつになく感動的な対談になっていますね。

〈⇒第4回 さらなる試練

 

塩沼亮潤 (しおぬま・りょうじゅん) 大峯千日回峰行大行満大阿闍梨 1968年、宮城県仙台市生まれ。東北高校卒業後、87年に奈良県吉野の金峯山寺で出家得度。91年、大峯百日回峰行満行。99年には金峯山寺1300年の歴史で2人目となる大峯千日回峰行満行。2000年、四無行満行。06年、八千枚大護摩供満行。現在は、故郷仙台市秋保に慈眼寺を開山し、住職を務める。おもな著書に、『人生生涯小僧のこころ』『人生の歩き方』『毎日が小さな修行』(以上、致知出版社)、『心を込めて生きる』『執らわれない心』(以上、PHP研究所)、『〈修験〉のこころ』(共著、春秋社)などがある。
島地勝彦 (しまじ・かつひこ) 1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。現在は、コラムニスト兼バーマンとして活躍中。『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ』(いずれも講談社)『バーカウンターは人生の勉強机である』(阪急コミュニケーションズ)『お洒落極道』(小学館)など著書多数。Webで「乗り移り人生相談」「Treatment & Grooming At Shimaji Salon」「Nespresso Break Time @Cafe de Shimaji」を連載中。最新刊『蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負』が好評発売中!

著者: 開高健、島地勝彦
蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負
(CCCメディアハウス、税込み2,160円)
1989年に刊行され、後に文庫化もされた「ジョーク対談集」の復刻版。序文をサントリークォータリー元編集長・谷浩志氏が執筆、連載当時の秘話を初めて明かす。

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著者: 島地勝彦
お洒落極道
(小学館、税込み1,620円)
30代、40代の男性を中心に熱狂的ファンを抱える作家、島地勝彦氏の『MEN’S Precious』誌上での連載「お洒落極道」が、待望の書籍化!

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