2016.01.14

「コーク一族」米大統領選の命運を握る大富豪ファミリーの正体

古村 治彦

ティーパーティーの立役者

チャールズとデイヴィッドのコーク兄弟は自分たちの豊富な資金に加え、考えを同じくする保守的な大口献金者たちを集め、政治献金ネットワークを作り上げている。そして、その資金力を背景にして、現実政治に深く関与しようとしている。

チャールズ・コークは、2015年4月にマスコミのインタヴューに対して、2016年のアメリカ大統領選挙では「8億8900万ドル(約1000億円)を選挙資金として投入する用意がある」と答えている。

では、彼らは今回の大統領選で誰を支持するのか。それは、選挙の行方を左右することになるかもしれない。

コーク兄弟は、個人の自由と自由市場を尊重するリバータリアニズムを信奉するシンクタンクである「ケイトー研究所」を創設し、資金を投入してきた。その他にも保守系のシンクタンクや大学のプログラムに多額の資金を投入し続けている。

さらには、それらの研究機関で生み出されたアイディアを現実政治に反映させるべく、「アメリカンズ・フォー・プロスペリティ(AFP)」をはじめとする数々の保守系市民団体にも資金を投入してきた。こうしてコーク兄弟は政治思想から現実政治までを一つにつなげるネットワーク(「コーク帝国」と呼ばれている)を構築した。

背後には彼ら自身を含む大口献金ネットワークがあり、コーク兄弟は、この2つのネットワークを使って、アメリカをより保守的な国へと変えてしまおうとしているのだ。具体的には、政府の役割を縮小し、ほとんどの分野を自由市場に任せることを目標とし、この考えに近い政治家たちを応援するということになる。そうなると必然的に共和党を支持し、民主党に敵対することになるだろう。

コーク兄弟がアメリカ政治の表舞台に姿を現してからはそんなに日は経っていない。彼らの存在に注目が集まったのは、2009年から始まったティーパーティー運動と2010年のアメリカの中間選挙であった。

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