「参院選は圧勝のハズでは…!?」自民党幹部を青ざめさせた二つの世論調査

鈴木 哲夫 プロフィール

乙武さんに接近する菅官房長官

また、今回2期目となる自民党の別の参議院選挙区候補も次のように話す。

「軽減税率で私たち参議院自民党が公明党案に譲歩すべきだと猛烈に主張したのは、参院選の危機感があるからです。世論調査などでの数字はいいが、現場を回ってみると有権者の反応は冷静。だから今度はいつも以上に公明の協力を得たいし、そのためにも軽減税率では公明に譲るべきだ、という事情があったんです。衆議院議員の連中はその辺が何も分かっていないんじゃないか」

こうして見ると、「安倍自民大勝」シナリオは、確固たるものではないと感じるのだ。自民党幹部の中にも、危機感を抱き始めている面々がいる。菅官房長官と茂木敏光選対委員長だ。

「12月に、菅さん(官邸)か茂木さん(党)主導で、独自に参院選の世論調査をやったと言われています。結果をみると、自民党がそこそこ勝っていたようですが、菅・茂木両氏は『これは引き締めが必要だな』と、いろいろ動くように指示を出していましたね」(自民党中堅議員)

たとえば、12月17日、菅氏が『五体不満足』の著者として知られる乙武洋匡氏と、児童扶養手当の問題で面談したが、「そんな話で会ったとは誰も受け取っていない。参院選出馬の打診をした、と見ている。乙武さんが自民党から出馬すれば、大いに票の上積みが期待できるから、より強力な候補が必要と判断して、菅さんが会ったんでしょう」(前出中堅)という。

一方で、「他に適当な政党がない」という結果は、野党こそ厳しく受け止めなければならない。民主党を中心都として、野党再編を急ぐべきだとする幹部は「民主と維新が統一会派を組むぐらいじゃ有権者に何のアピールもできないことが証明された」と話す。

支持が上滑りの自民党ですら、昨年内に選挙区の参院選の公認候補65人を決めたのに対して、野党は統一候補では大筋合意しているが、準備は遅れている。