脳はこんなにダマされている〜気鋭の脳科学者が明かす「ココロの盲点」

『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版』
池谷 裕二 プロフィール

でも、落ち込む必要も、恥ずかしがる必要もありません。それは脳の仕様なのですから。

ヒトはみな偏屈です。自分に都合よく世界を認識します。そうしなければヒトは考えることができないからです。

つまり、「歪める」という偏見フィルターは、私たちにとっての心であり、「考える」というプロセスそのものです。だから、脳に偏見があること自体は罪ではありません。クセは成熟した脳のデフォルトです。そして偏見は生きることを楽にしてくれます。

ただし注意してください。偏見自体に罪はないとはいえ、その偏見に気づかずに生きているとしたら、もしかしたら罪かもしれません。全員が「自分」を盲信したままコミュニケーションすると、不用意な摩擦が生じかねないからです。運が悪ければ、喧嘩や諍いや戦争など、あらぬ方向に暴走するかもしれません。

傾向と対策――。脳のクセを知っていれば、余計な衝突を避ける予防策になります。

それだけではありません。脳を知れば知るほど、自分に対しても他人に対しても優しくなります。そして、人間って案外とかわいいなと思えてくるはずです。

人間が好きになる脳の取り扱い説明書。そんなふうに本書を役立ててもらえれば著者望外の喜びです。

著者 池谷裕二(いけがや・ゆうじ) 
1970年、静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。現在、東京大学薬学部教授。脳研究者。海馬の研究を通じ、脳の健康や老化について探求をつづける。日本薬理学会学術奨励賞、日本神経科学学会奨励賞、日本薬学会奨励賞、文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞などを受賞。主な著書に『記憶力を強くする』『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』(ともに講談社ブルーバックス)、『海馬』『脳はこんなに悩ましい』(ともに共著、新潮文庫)、『脳には妙なクセがある』(扶桑社)などがある。
自分では気づかない、ココロの盲点 完全版
本当の自分を知る練習問題80

池谷裕二=著

発行年月日: 2016/01/20
ページ数: 352
シリーズ通巻番号: B1953

定価:本体  1000円(税別)
     ⇒本を購入する(Amazon)
     ⇒本を購入する(楽天)
(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)

ブルーバックス前書き図書館のメニューページはこちら