日本でも必ず起こる
テロに遭遇! その瞬間、どう行動するのが「正解」か

何が生死を分けるのか
菅原 出

いまやテロはどこででも起こると考えるべきだ。銃声を聞いたら、まずテロの可能性を疑うべきである。

もし犯人が至近距離にいる場合には、その場で床に伏せる。死んだふりでもしてとにかく嵐が過ぎるまで静かにするしかない。もし身を隠す場所があれば隠れた方がいい。テロリストの姿が見えず銃声がまだ遠くで聞こえた場合は、ひたすら遠くに逃げるか、安全な場所に隠れる。

いずれにしても、早期に異常を察知できるかどうかが生死を分けると言っていい。本来ならば、チュニジア治安機関がもっと早期に「異常」を発見していれば、このテロは防げた可能性すらある。チュニジアの首相はこの事件後、警察幹部6名を解雇処分にしたが、警備に関して大きな失敗があったのは間違いない。

チュニジア警察は、事前にテロ情報を入手し、当日は博物館周辺の警備を強化していたにもかかわらず、「大丈夫」と判断し、警備を解除した。その1時間後に事件が発生していたのだ。

このチュニジアのテロ事件は、渡航前に情報収集をしっかりとすること、常に自分も狙われるという意識を持つこと、自身の直感を信じ、少しでも異常を感じたらその直感に従い行動すること、近くで銃声がしたらすぐに身を伏せることの重要性を再認識させる。

テロのリスクは常に存在する。危機が迫っていることを早期に察知し、危険な状況から一刻も早く離れることができるかどうかが、生死の分かれ目だと言える。

この教訓を我々は忘れてはならない。

テロ・リスクと向き合って生きる

テロと一口に言っても、場所によって脅威の形態は異なり、そこで実施する活動内容によっても、注意すべき脅威が異なる。いずれにしても詳細な情報収集・分析を通じて、脅威の実態を分析し、リスクを評価することが重要である。

「テロ対策」と聞くと、監視カメラや防弾チョッキや防護車両を思い浮かべがちだ。もちろんそうしたハードの機器も重要だ。しかし、より重要なのは、海外への渡航者一人ひとりが、「何にどう気をつけるべきか」を理解し、テロ・リスクを軽減するための行動を地道にとることである。

そのためには、一人ひとりが「自分の命は自分で守る」という意識を持って、危険の種を早期に発見できるよう、注意を怠らないことである。しかし、これは四六時中警戒と緊張を継続すべきだと言っているわけではない。それは逆効果である。テロの脅威をしっかりと理解できれば、自ずと余裕が生まれるはずである。