9条もアメリカも日本を守ってくれない! そろそろ「国防」についてホンネで話をしよう

いま、真の脅威は何か
伊勢崎 賢治 プロフィール

日本の活路は?

この敵国条項は、死文化しているという向きもあるけど、希望的観測にしかすぎない。

かりに今は善人として通っていても、歴史修正主義(不埒ものを成敗した国連の成り立ちの歴史を修正しようとしている)なんてレッテルを貼られ、拙速な武力行使をしでかし「侵略者」として孤立したら、王様クラブを犠牲にしてまでアメリカは日本を擁護すると思うか。

世界は手のひらを返す。それが国際政治だ。

「武力の行使」をできるフツーの国になるには、軍備を増強しても、何も始まらない。どんな武器を持っても、フツーの国より撃ちにくいうちは。日本が撃ちにくいのは、9条のせいじゃないのだ。

それでは日本の活路はどこにあるのか?

「レジューム」の中で善行を重ね続ける。いつか、王様クラブ、特に中露が、保護観察の身からフツーの国への昇格を同意するまで、ひたすら善人を通す。これしかない。

もちろん、「シームレス」などと絶対に言ってはいけない。警察力(防犯)と武力の行使(戦争)に切れ目がないとあらかじめ宣言する国がどこにあるか。

こんなことは、「武力の行使」を統制する「レジューム」への無謀な挑戦としか見えない。仮想敵国(中国か?)に対する平時での宣戦布告としかとれない。「昇格」などほど遠い。

中国や北朝鮮の脅威にかまっている暇などない

次に、ソレを言ったらホントにおしまいよ、というソレ。

本稿で紹介したい拙著『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』から以下を引用する。

* * *

仮想敵国の目の前にいながら国防上の〝懐〟のない日本。だからこそ、かつては大東亜共栄圏を夢想したわけですが、今は平べったい島国に「原発」を並べただけの日本。

これをボクシングにたとえると、大きなアメリカをセコンドに持つも、9条で後ろ手に縛られたまま、自ら腹を掻っ捌いて臓物を敵に露出しているようなものです。この臓物を引っ込めて傷口を縫うことは未来永劫できません。核物質を地球外に廃棄する技術ができない限りは。

そして、もちろん、臓物が狙われたら真っ先に逃げるのはセコンド(アメリカ)でしょう。 3.11の東日本大震災の時、横須賀の米空母ジョージ・ワシントンが真っ先に逃げ出したように。

つまり、日本は、臓物を攻撃しないという敵の善意、原子力施設への攻撃が違法化されている国際人道法や戦時国際法を、北朝鮮も含めた国連加盟国なら「守る」だろうという、薄氷のような〝良識〟に依存してゆかなければ、国防という概念さえ成り立たないのです。