「マタ旅」は危険!無保険の出産は4000万円程かかる

荻田和秀×坂本美雨 『コウノドリ』特別対談
荻田和秀, 坂本美雨

経膣分娩は痛みの分割払い、帝王切開は痛みの一括払い

坂本: 私も経膣分娩をしてみたいという気持ちはありましたが、子宮筋腫の手術をした時点で出産の時は帝王切開になるよ、と言われていたので、特に抵抗はありませんでした。

荻田: 帝王切開にネガティブな感情を持っている人も多いんですが、帝王切開も立派なお産なんです。マイナスのイメージをとっぱらって自信を持って帝王切開=お産に臨んでほしいと思っています。

坂本: 出産時のことはなんだか忘れてしまっていますが……。私は帝王切開で麻酔をしたあと手術が始まる前にげーげー吐いてたんです(笑)。そのうちに「あれ?もしかしてもう始まっています?」、「もう切っていますよ〜」と(笑)。そんな会話をしていたら「にゃー」ってこの子が産まれてきたんです。

荻田: お産は病気ではないので手術をする僕らも「メス」とは言わないんですね。「ちょうだい」とか言って、僕はお母さんと会話をしながら手術をしています。だから「いつのまにか切って」いる状態になるんです。

坂本: まさに、いつのまにか産まれていて「かわいいなあ」と思っているうちに、出血が多かったようで普通より時間がかかり、だんだん麻酔が切れてきて痛みが増してきて……。1500mlくらい出血をしていて、おぼろげですが先生はたしか何かを「戻しています」と言っていたような…?

荻田: ああ、わかりました。それは痛いと思います。僕らは「経膣分娩は痛みの分割払い、帝王切開は痛みの一括払い」だと言っているんですよ。

坂本: なるほど!麻酔が切れてからは一気にすごく痛くなって、「次の座薬何時ですか?」ってねだってました(笑)。その後、2日間くらい痛みは続いたんですが、人間の体って不思議で、朝は3歩歩くのに必死だったのに、夜は病棟を一周できたりするんですね。すごい快復力!もちろんそこには新生児室まで行ってこの子に会いたいという気持ちが作用しているんですが。自分の体を信じられるようになりました。

「不妊治療」も「養子縁組」も40代で限界!?
知っておきたい光と影
に続く。  

***

『コウノドリ』鈴ノ木ユウ

定価:本体562円(税別)/モーニング(毎週木曜発売/講談社)で好評連載中!!

出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

嫁ハンをいたわってやりたい ダンナのための妊娠出産読本』荻田和秀

定価:801円(税別)/講談社+α文庫

「コウノドリ」の主人公のモデルとなった産科医自らが語り下ろした、ダンナのための妊婦とのつき合い方のバイブル。嫁ハンのことはいたわってやりたいとは思っていても、なかなかできないダンナさんのために、豊富な臨床経験から数多くの赤ちゃんとその両親に接してきた著者が、時に絶妙な関西弁も交えつつ、やさしく、厳しく教えます。

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら