# 貧困・格差

「ふとんで年を越したい…」
急増する「見えない貧困」、恐怖の年末年始がやってきた

大西 連 プロフィール

年末年始は「仕事」も「窓口」も開いていない

年末年始は多くの会社では休業期間に入る。正社員などの安定した仕事をしている場合は、ただ休みに入るだけなのかもしれないが、例えば、時給制の仕事や、日給制の仕事などの場合は、休業期間が長くなればなるほど、それはそのまま給料が減ってしまうことを意味してしまう。

加えて、給料の入金方法が日払いや週払いである場合は、「仕事がないこと=入金がなくなってしまうこと」につながってしまう。貯金等をできている状況であれば何とか正月明けまでしのげるかもしれないが、もし手元に残っていなかったり、急な出費に見舞われてしまったり、岸田さんのように予期せぬ出来事が起こってしまったりすると、たちまち、資金もなくなってしまう可能性がある。

もちろん、こういった生活困窮状態になってしまったら、社会保障制度の利用を検討することはできるし、通常であれば公的な窓口にいって、その利用を申請することは可能だ。実際に、生活保護をはじめ、日本では一定程度のセーフティネットは整備されている。

【参照】
・生活保護制度について(厚労省HPより)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/
・生活困窮者自立支援制度について(厚労省HPより)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059425.html

これらの制度は、いつ・誰が・どのような理由で生活に困っても支援を受けることができるように、各自治体に常設の窓口が存在する。

しかし、多くの自治体ではそれらの窓口が開いているのは、平日は9時~17時(12時~13時は昼休み)のみ、土日と祝日などは、「閉庁」といって休みに入る。そして、年末年始は、年によって違うもののおおむね1週間ほど窓口が閉まってしまうため、そういった支援制度が利用できなくなってしまうのだ。

年末年始だけでなくゴールデンウイークなども大型連休として閉庁期間が長いのは長いのだが、同じ連休でも年末年始は時期的に極寒なので、野宿することは厳しい。なので、年末年始は支援のニーズが結果的に高くなってしまうのだ。

こうした事態を想定して、全国各地では長いところでは30年以上も前から、さまざまな民間のレベルでの支援活動がおこなわれている。東京だと新宿・渋谷・池袋・山谷地域などでは、民間の支援団体が炊き出しや夜回り、医療相談などの活動を「越年」「越冬」としておこなっている。

しかし、いずれも手弁当でボランティア中心の活動でもあり、民間でできる支援に限界があるのも事実である。