観る前に知っておきたい!
「スター・ウォーズ」が起こした映画史上の奇跡

中川 右介 プロフィール

「スター・ウォーズを見ている時が現実で、そうでないときのほうが夢の中のような感覚で生きている」と言って、周囲を驚かせたことがある。

自分としても冗談半分ではあったが、12月18日18時半からの最初の上映で見て、翌日ももう一回見てからというもの、こうしてPCに向かっていることのほうが夢のように思えてしまう。

「スター・ウォーズ」のスクリーンの前にいるときのほうが現実世界を生きているように感じてしまう。

完璧な絵空事であるがゆえに、「スター・ウォーズ」はリアリティがあるのだ。完璧な別世界を構築し、物語内で長大な時間が流れている点ではガンダムもそうなのだが、やはりアニメと生身の人間が演じるのとでは、リアルさが異なる。

ハン・ソロとレイアの皺は、メイクでも作れたかもしれないが、そういう問題ではない。同じ俳優が30年後に同じ役で、久しぶりに登場するという、映画史上でも稀なことが可能にした奇跡だ。

これまでの作品とのちがい

まだ観ていない方も多いだろうし、やはりこの映画は、「この人は、あの人のアレなのか」と思いながら観て、「やっぱりそうか」となるのが面白いので、ストーリーと直接関係のないことをいくつか書く。

これまでの作品と、物語の作劇上での変化がある。

まず、血が流れる。

「スター・ウォーズ」とは、戦闘シーンが激しいわりには、血が流れない映画だった。ルーク・スカイウォーカーが腕を斬り落とされても、血は流れなかった。多くの人が撃たれ、斬られ、あるいは爆風で飛ばされるが、血はなかった。だが、「フォースの覚醒」では始まってすぐに、血が流れる。

「スター・ウォーズ」に出てこないのは、血だけではない。汗や涙も希薄なのだ。
全体にドライである。砂漠の惑星が舞台になるのとも関係しているのかもしれない。ヨーダがいた惑星も、密林なのだが、じめじめした感じがしなかった。風景も、人間関係も、ドライなのが、「スター・ウォーズ」の潔さだった。

しかし、今度は少しウェットになる。その象徴が冒頭での「血」だ。