日本ボクシング界にいま、「重大な危機」が迫っている!
~統轄団体・JBCのずさんな運営・資金管理を告発する

藤岡 雅 プロフィール
大騒動に発展した亀田大毅×リボリオ・ソリス戦

亀田家とJBCの対立

時は13年9月3日に遡る。この日、IBFスーパーフライ級タイトルマッチを制し、2階級制覇を成し遂げた亀田大毅。しかし、この試合で亀田ジムはJBCに拭いがたい不信感を抱くこととなる。その原因は、試合で使われるグローブをめぐるJBCの対応だった。

「試合の調印式で同時に行われるものに”グローブチェック”がある。これはJBCのルールブックに定められる『インスペクターによる検査』で、これに合格したグローブでなければ試合には使用できない。世界戦では検査を経たグローブに選手がサインをして、開催国のコミッションが試合直前まで封印、保管することになっている」(前出・JBC関係者)

もちろんこの日のタイトルマッチでもグローブは封印された。しかし大毅の対戦相手のゲレーロ陣営がその後、「別のグローブを使いたい」と申し出て、JBCはこれを受け入れてしまったのだ。大毅陣営は当然、反発した。

JBCのルールブック第67条第3項但し書きには、「世界及び東洋太平洋タイトルマッチにおいては、JBCの承認により当該認定団体の試合ルールを採用することができる」とある。この時、IBFがゲレーロ陣営に対して別のグローブを使用することを許可したため、JBCとしては受け入れることにしたのだろう。

JBCのこの判断は理解できなくもないが、本来であればJBCは両者の契約書の内容をチェックして、事前にIBFとルールについての協議をしておくべきだったはずだ。当然、亀田興毅や亀田ジムのマネージャーはJBCにこう抗議した。

「調印式で行われたグローブチェックはセレモニーであって大した問題ではないという認識でいいのか」(マネージャー)。

「何のためにJBCがあって、JBCに承認料を支払っているのか」(興毅)。

結局、大毅陣営がゲレーロ陣営を直々に説得。試合では、封印されていたグローブが使用された。

「JBCは事前にルールなどのチェックや調整をやっていないのではないか」。「これでは、いつか大きな事件が起こるのではないか」。当時、ある大手ジムのマネージャーが漏らしていた不安を筆者は耳にしている。彼の不安はその直後の「負けても王者事件」で現実のものとなる。