日本ボクシング界にいま、「重大な危機」が迫っている!
~統轄団体・JBCのずさんな運営・資金管理を告発する

藤岡 雅 プロフィール

この5年間で正味財産が急激に減少

これに危機感を覚えた協会側は、JBCにただちに昨年の収支実績と「今後5年間にわたるJBCの財務シミュレーション」の提示を求めたが、JBCはあくまで「単年度の収入に見合った支出を予算に反映させ(る)」(東協会『議事録・平成27年度(No.7)』収録「資料⑬」・10月1日付、JBCから協会に宛てた『ご報告』)として、詳細な説明をさけたのだった。

実際、JBCのホームページで公開されている『財務諸表』をみると、正味財産がこの5年間に急速に萎んでいることが分かる。

2010年に約1億6400万円あった正味財産期末残高は、昨年末、約1億1900万円となり、5年間に4500万円も減少した。近年、大幅な赤字が繰り返されているということだ。

JBCの財務諸表

この1億1900万円のなかには負傷した選手に治療費を支給する「健康管理金」(現「健康管理見舞金」)も含まれている。これは、試合のたびに選手からファイトマネーの1%~3%をJBCが徴収し積み立てたもので、「法的拘束力はないものの、原則的、また道義的にも選手の健康管理やその制度運用のコストに使途が限られる資金」(JBC関係者)だ。

JBCが協会に提示した資料(東協会『議事録・平成27年度No.7』収録「資料⑪」・10月7日付『健康管理金残高相当額照会』)によれば、その残高は14年末に約5700万円となっている。そのためJBCが使用できる15年の繰り越し財産は約6200万円【1億1900万円-5700万円】である。

またJBCは今期の収支予算を約2200万円の赤字になると見込んでいる。つまりJBCが運用できる財産は4000万円【6200万円-2200万円】となる。

この財産額はJBCの過去10年間の財務状況と比べれば、特段驚くべきものではない。しかし今期、JBCは新たに「巨額の負債」を抱え込んでしまっているというのだ。

JBCは3年前、元職員4人を解雇し、それが労働争議となっていた。元職員から相次いで訴訟を提起され、公にはされてはいないが、これまでに4人のうち3人との和解が成立。「その和解金は約4000万円にも上る」(同前)という。

この和解金「4000万円」が事実だとすれば、JBCが使用可能な正味財産は0円となってしまう。また4人の内の1人、JBCの元事務局長である安河内剛氏とは未だ係争中(安河内氏との裁判については後述)であり、そのうえJBCは亀田ジムの会長とマネージャーからも提訴されており、今後も訴訟費用が膨らむ公算だ。

筆者が信用する情報源は「裁判の費用も考えれば、JBCは今期、1億円にせまる赤字となってもおかしくないはず」とも証言しており、予断を許さない状況だ。これを賄うには新たに「寄付金」を募るなどするしかないはずだが、いずれにせよ財務の悪化に直面したJBCが、激しいリストラを迫られていることは間違いない。