妻・夫が死んだら、あなたの「年金」はこんなに変わる

知らないと損する「遺族年金」の話
週刊現代 プロフィール

制度が煩雑なため、ケーススタディをしたほうがわかりやすいだろう。年金問題の専門家たちに、よくある相談事項に基づいて解説してもらった。

 

Q.妻が死んだ場合、夫も遺族年金を受け取れるのでしょうか?

A.結論から言うと、もらえるケースもある。まずは話をわかりやすくするため、遺族年金の構造を説明しよう。

遺族年金は大きく分けて2種類ある。遺族基礎年金と遺族厚生年金だ。社会保険労務士の井戸美枝氏が語る。

「亡くなった人が国民年金加入者の場合は、遺族基礎年金を受け取ることになります。遺族基礎年金は、かつて『母子年金』と呼ばれていたもので、一家の大黒柱である父が倒れたら遺された母子が困るので、それを助けるために作られた制度です」

したがって、遺族基礎年金は、18歳未満の子供がいる子育て中の家庭にしか支給されない。逆に、18歳未満の子供がいる場合は、妻を亡くした夫でも年金を受け取れる。ただし、残された遺族の収入が850万円以上ある場合は支給されない。

次に遺族厚生年金だ。亡くなった妻が会社員で厚生年金の加入者だった場合、夫は遺族厚生年金を受け取る資格を持つ。しかし、制限は多い。

「妻を亡くしたときの夫の年齢が55歳以上であることが絶対条件です。それより若い場合は『自分で自分の生計を立てなさい』というわけです。

また、夫が元サラリーマンで自分の老齢厚生年金がある場合は、その額が遺族年金より高くなるケースが多く、年金はほとんどの場合、受け取れません」(井戸氏)

では、夫が妻の遺族厚生年金を受け取れるのはどういうケースか? それは夫が自営業で、国民年金しか加入していなかった場合だ。そうなると夫の年金受給額が少なく、妻の厚生年金がないと暮らしていけないとみなされるので、遺族年金を受給できるケースが多い。

なんと年200万円支給も!

Q.専業主婦だった妻が亡くなりました。残された夫は遺族年金はもらえるのでしょうか?

A.夫に扶養されていた主婦が亡くなっても遺族年金が出るはずがない—そう思い込んでいる人は意外に多い。

だがそれは間違いだ。ファイナンシャル・プランナーの福一由紀氏が解説する。

「専業主婦は自分で年金保険料を払っていなくても『第3号被保険者』として年金に加入しているとみなされます。従って、遺族に18歳未満の子供がいる場合、遺族基礎年金は支給されるのです。ただし、夫の年収が850万円を超えた時点で受給資格はなくなります」