たくさんのモノはもういらない!
40を過ぎたら、少なく、贅沢に暮らそう

小川 糸 プロフィール

一生添い遂げられる「鉄瓶」

使う頻度が高い生活道具ほど、「使いやすい」と感じられる心地よさにこだわりたい。そう思って、少しでも不便や不具合を感じると「もっと気持ちよく使えるもの」を探すことが私の習慣になりました。

これで終わり、と言いきれる選択ができたら、その後はずっと買い換えなくていい。一生を添いとげられるものに出合うことは、その後の人生を楽にしてくれるものだと感じています。

このように、「一生を添いとげられるもの」として出合い、20年近く使っている道具はほかにもあります。

そのひとつが、鉄瓶。浅草のかっぱ橋道具街で買ったものです。使い込むほどに、まろやかで優しい味のお湯ができるようになりました。この鉄瓶はプレゼントにも最適で、友人が結婚するときにお祝いで差し上げたりしています。

1年ほど使い込んで湯に慣らすと、鉄瓶は錆に強くなる。中には炭を入れている。

壊れにくいですし、一生添いとげられますように、という祝福のメッセージにもなります。役目を終えた最後には、土に返せば、また地球に戻ります。

私が求め続けるものの条件は何か、あらためて考えてみると、それはやはり「つくり手や伝統といった背景が見えてくる確かさ」です。ものとつきあうということは、それをつくった人や文化とのつきあいでもあるからです。

もうひとつ、「壊れたら直せること」も欠かせない条件。長く使っているとほころびが出るのは当然。修繕・修理しながら、さらにつきあいを続けることで、ものへの愛着が深まります。