驚愕!実は大阪で「エイズ」が大爆発していた

週刊現代 プロフィール

加藤氏が続ける。

「同じくエイズ動向委員会の調査によると、'02年まで、大阪府で報告されたHIV感染者およびエイズ患者は、毎年100人にも満たない。つまり、03〜06年の4年間だけ、新規感染者数が約3倍に膨れ上がっているのです。

その後、感染者数が横ばいに推移していることから見ても、この時期だけ急増しているのは明らか。研究者の間では、このような急激な感染拡大を『アウトブレイク』と呼びます」

感染を拡大させた人物がいる

アウトブレイク——恐ろしい響きだが、ではなぜ大阪で、この時期、爆発的に感染者は増えたのだろう。

世界で感染者が急増した例はいくつかある。

たとえば、ジンバブエやザンビアといったサハラ以南のアフリカは、世界でもっともHIV感染者が多い地域。これまでに、2000万人以上の感染者が出ている。

ここで感染が拡大した理由は、HIV感染を助長する他の性行為感染症が多いためとされる。梅毒やヘルペスといった性病にかかっている者が性行為をしたときに、HIVの感染は起きやすいのだ。アフリカ諸国のなかには性病の予防・治療体制が整っていない国が多いため、急速に感染が広がった。

また、80年代のタイでも、大規模な感染拡大があった。HIVの感染者は、累計で100万人をゆうに超える。こちらは、薬物使用者による注射針の「使い回し」が主な原因とされている。

いずれの感染拡大のケースも、03〜06年当時の大阪の状況には当てはまらないだろう。

大阪に限らず、日本の衛生環境でこのような事態が起こることは、まさに想定外だ。なぜ、こんなことになってしまったのか。

考えられる要因の一つを、加藤氏はこう分析する。

「衛生環境が良好ななかで、感染が拡大する原因として一般的なのは、セックスにアクティブ(能動的)なHIV感染者が、性活動が盛んなコミュニティに入り込むケース。単純な話ですが、その一人の人物が次々と性関係を持てば、そのコミュニティで感染は拡大していきますからね。そのような人物を『スーパースプレッダー(感染拡大の感染源)』と言います」