歌舞伎町の「キャッチ」について行ってみた! 居酒屋・キャバクラ・風俗店……ボッタクリの現在

久田 将義 プロフィール


場所は東京・歌舞伎町。

時刻は大体、夜の8時頃だっただろうか。

その居酒屋はキャッチされた場所から数十メートル歩いた所にあった。

入り口は薄汚れているのだが、店内に入ると照明は思いの外明るかった。しかし、印象的なのは店員たち。愛想がなく、呼んでもなかなか注文を取りに来ない。

ビールと焼き鳥の盛り合わせを頼んだと記憶しているが、ビールはビールサーバーを洗っていないのか、何とも言い難い不味さだ。ビールの味がしないというか。味が薄い。焼き鳥も3本くらいしかなく、恐らくどこかで買ってきたものであろう。近くにコンビニがあったから、もしかしてそこで購入したのかもしれない。ビール1杯に焼き鳥3本とお通しで、いくらだったのかというと……。

1万円くらいだった。

この値段設定が巧妙で、「ボッタクリとも言えないのかな。そのくらいならごねるのも面倒だからさっさと払って口直しに飲みに行こう」と客に思わせる「プチ・ボッタクリ」の値段なのだ。

仮に近くの交番に行き、不満を訴えても値段表が店内のどこかに貼ってあったのなら、民事に介入したがらない警察官は「値段表が貼ってあるし、1万円で飲み食いできたから、まあまあ」等となだめられてしまう可能性が大だ。

続いて風俗のキャッチに乗っかった場合。

この話は10年くらい前になる。場所は同じく、歌舞伎町だ。

時間は日中。「どこかお探しですか?」というお馴染みのセリフでキャッチが声をかけてきた。

「はい」と答え、交渉成立。ホテルを指定され、何号室という部屋に行くように言われた。

キャッチが言うにはホテル代を抜かして、全部で2万円くらいの金額だったと思う。部屋で待っていると女性が来たが、さらに金額を要求してきた。この時点でボッタクリだと確認できた訳だ。女性は若くて、そこそこキレイだったと記憶している。ここで抵抗しても良かったが取材なので、要求額を払った。計4万円超だ。

この金額も微妙で、完全なるボッタクリとも言えない金額設定である。

いわゆる「半ボッタクリ」や「プチ・ボッタクリ」と呼ばれる金額なのだ。

女性には少し話して帰ってもらった。ホテルを出て、すぐにキャッチがいた場所に戻り、声をかけようと思ったのだが、キャッチは消えていた。周囲をかなり歩いて、そのキャッチを探したのだが跡形もなくいなくなっていた。まるで「繁華街の忍者」のようだと少し感心してしまったのを覚えている。